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|小イベント|小ネタ|キャラクター育成| アイテムで能力値を上昇させる場合、各インセンスは入手数が限られているものが多いため、「ALLインセンス」を使用するといい。 「SPインセンス」は噂悪魔の報酬及び宝箱からの入手のみなので「アイテムブリーダー」を使用して複製するか、「スピリットソース」で補強しないとSPを999にできない可能性がある。 能力値|アクセサリー|アイテム 能力値 レベルアップ時、能力値は最低4ポイント、最大5ポイント上昇する。 レベルアップ 3ポイント ペルソナのレベルアップボーナス 1ポイント 降魔するペルソナにより上昇する能力値が異なる アクセサリーのレベルアップボーナス 1ポイント 装備するアクセサリーにより上昇する能力値が異なる 舞耶は3ポイントを自由に割り振ることができる。 舞耶以外のキャラクターは3ポイントを自動で割り振られ、割り振られる能力値は決まっている。 各能力値の最大は「99」で、最大になった後もポイントは割り振られるため、その分は無駄になる。 ペルソナ及びアクセサリーのレベルアップボーナスで上昇させる能力値を調整するといい。 合体スキルは発動するキャラクター全員が行動するまで発動できないため、「速」が伸びないキャラクターは補強しておいたほうがいい。 HP及びSPは、「レベルアップ」と「体」及び「技」、アクセサリーのレベルアップボーナス(装備時)により上昇する。 HP 体1につき+4~5 アクセサリーのレベルアップボーナス:+5 SP 技1につき+3~5 [初期ステータス及びLV99ステータス] 2列目はLV99でペルソナのレベルアップボーナスを除いた場合の値。(実際はペルソナのレベルアップボーナスが加算される) 3列目はLV99で体99及び技99の時のHP及びSPの値。 キャラクター LV HP SP 力 体 技 速 運 備考 舞耶 1 18 26 2 3 4 3 3 LV99、体99でもHPは999にならないので、HPインセンスを使用する必要がある 99 - - - - - - - 99 910 999 - 99 99 - - うらら 1 18 17 3 3 3 4 2 LV99、体99でもHPは999にならないので、HPインセンスを使用する必要があるLV99、技99でもSPは999にならないので、SPインセンスを使用する必要がある 99 868 746 57 70 58 79 45 99 990 910 - 99 99 - - 克哉 1 20 15 4 3 3 3 2 LV99、技99でもSPは999にならないので、SPインセンスを使用する必要がある 99 879 782 76 61 65 50 57 99 999 891 - 99 99 - - パオフゥ 8 86 61 8 8 6 7 7 LV99、技99でもSPは999にならないので、SPインセンスを使用する必要がある 99 925 693 74 69 53 58 55 99 999 831 - 99 99 - - 南条 22 211 182 22 21 18 22 16 LV99、体99でもHPは999にならないので、HPインセンスを使用する必要があるLV99、技99でもSPは999にならないので、SPインセンスを使用する必要がある 99 842 746 71 70 61 72 56 99 970 891 - 99 99 - - エリー 20 166 204 16 14 22 20 19 LV99、体99でもHPは999にならないので、HPインセンスを使用する必要があるLV99、技99でもSPは999にならないので、SPインセンスを使用する必要がある 99 778 869 57 58 75 71 67 99 950 970 - 99 99 - - 達哉 55 581 523 50 48 43 44 46 99 983 904 80 74 70 70 69 99 999 999 - 99 99 - - 上へ アクセサリー レベルアップ時、レベルアップボーナスの追加効果があるアクセサリーを装備していると能力値が上昇する。 「スピリットソース」は、懸賞の噂を『アクセサリーが当たるらしい』にすれば、空の科学館後に入手できる。 順当にいけば「テクニックソース」は最後に入手することになる。 名称 レベルアップボーナス 入手方法 ストレングスソース 【力】+1 魔晶変化 LV25正義マルス バイタリティソース 【体】+1 魔晶変化 LV32金貨エビス テクニックソース 【技】+1 魔晶変化 LV65愚者フウマコタロウ アジリティソース 【速】+1 魔晶変化 LV28皇帝マルドゥーク 噂悪魔報酬 LV41噂悪魔ムッシー ラッキーソース 【運】+1 魔晶変化 LV20金貨フクロクジュ ヒットポイントソース 【最大HP】+5 魔晶変化 LV41女教皇パールヴァティ スピリットソース 【最大SP】+5 懸賞 アクセサリーが当たるらしい 魔晶変化 LV40金貨ペリ 上へ アイテム LV99になった後、能力値を上昇させるにはインセンス及び打出の小槌を使用する。 インセンスは主に宝箱及び魔晶変化から入手できるが、「ALLインセンス」は悪魔からも入手できる。 LV37噂悪魔100キロババアの報酬で「インセンスセット」を入手できる。 「打出の小槌」は魔晶変化から入手できる。 「アイテムブリーダー」を使用すれば各インセンスを複製することもできる。ただし、複製したいインセンスを所持している必要があるので注意する。 名称 効果 入手方法 STRインセンス 味方単体の【力】+2 宝箱 1個 魔晶変化 LV1正義ヘリオス 1個 悪魔 LV84仮面党員カメーンブラック(EX) 無限 VITインセンス 味方単体の【体】+2 宝箱 1個 魔晶変化 LV3月マイア 1個 悪魔 LV78仮面党員カメーンレッド(EX) 無限 TECインセンス 味方単体の【技】+2 宝箱 2個 魔晶変化 LV6刑死者オデュッセウス 1個 悪魔 LV75仮面党員カメーンイエロー(EX) 無限 AGIインセンス 味方単体の【速】+2 宝箱 2個 魔晶変化 LV1星カリスト 1個 悪魔 LV73仮面党員カメーングリーン(EX) 無限 LUCインセンス 味方単体の【運】+2 宝箱 0~1個 悪魔 LV76仮面党員カメーンブルー(EX) 無限 HPインセンス 味方単体の【最大HP】+10 宝箱 1個 魔晶変化 LV17刑死者シャックス 無限 SPインセンス 味方単体の【最大SP】+10 宝箱 1個 ALLインセンス 味方単体の【全能力値】+2 宝箱 1個 魔晶変化 LV36杯ガラハド 無限 LV62塔ハスター 1個 悪魔 LV70運命フェンリル 無限 LV78剛毅アジ・ダハーカ 無限 打出の小槌 味方単体の【全能力値】+4 魔晶変化 LV59戦車マハーカーラ 無限 アイテムブリーダー 所持アイテムをひとつ複製する 懸賞 特殊なアイテムが当たるらしい 無限 宝箱 1個 悪魔 LV46噂悪魔赤マント(EX) 無限 悪魔 LV81恋人ダークアリス 無限 悪魔 LV90刑死者アザゼル(EX) 無限 悪魔 LV99塔アンリ・マンユ(EX) 無限 噂悪魔報酬 LV29噂悪魔ツチノコ(南条ルート) 1個 [ALLインセンスの入手] 「ALLインセンス」はLV70運命フェンリル(防空壕:第八区画に出現)から入手するといい。 ノーマルアイテムなので契約後に「喜び」を最大にしてアイテムを要求すれば入手できる。 上へ
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俺「ストライクウィッチーズらしい」 362-397 目次へ戻る 次へ Episode0『プロローグ』 第501統合戦闘航空団。通称、ストライクウィッチーズによりロマーニャが開放され部隊が解散されてから数ヶ月。 解散後もメンバー達は各々の目的を果たすため日々奮闘していた。 扶桑の宮藤芳佳もその一人だ。 彼女は先の戦いで魔力を完全に使い果たしウィッチとしての能力を完全に失ってしまった。 もう彼女は飛ぶことすら出来ない。 しかし、彼女は家業の医師としての仕事を次ぐために日々修行していた。 そんなある日のことだった。 ?「御免ください。」 宮藤母「は~い。あら、あなたは・・・」 そこにいたのは扶桑海軍所属の土方兵曹だった。 土方「ご無沙汰しております。ご息女はいらっしゃいますか?」 宮藤母「ええ、いますけれど・・・」 土方「お話ししたいことがあるのですが少々お時間のほうを・・・」 芳佳「どうしたのお母さん?お客さ・・・あ!土方さん!」 土方「ご無沙汰しております、宮藤さん。」 芳佳「今日はどうしたんですか一体?」 宮藤母「芳佳にお話しがあるそうよ・・・」 芳佳「そうなんですか!?なら上がってってください。」 土方「お邪魔してもよろしいでしょうか?」 宮藤母「ええ、どうぞ上がってください。」 土方「ではお邪魔します。」 ---居間--- 宮藤母「粗茶です、どうぞ。」コト・・・ 土方「ああ、どうぞお構いなく・・・」 芳佳「それでお話しって・・・」 土方「はい、そのことなんですが・・・」 宮藤母「また・・・芳佳を連れて行くんですか・・・?」 土方「・・・・・はい。」 芳佳「え・・・?それってどういう・・・」 土方「はい・・・」 土方「第501統合戦闘航空団が再結成されます。」 そう、依然世界からネウロイの脅威は去っていなかったのだ・・・ 芳佳「ほんとうですか!?あ・・・でも私にはもう・・・」 宮藤母「そうです。芳佳にはもう魔力が無いんですよ?それなのに・・・」 土方「宮藤さんにはぜひウィッチーズの軍医としてのご同行願いたいと坂本少佐が・・・」 芳佳「坂本さんが?でも、坂本さんももう魔力が・・・」 土方「はい、確かに少佐は魔力をなくされました。」 土方「しかしながら教官としての少佐の能力は衰えていません。」 土方「そのためぜひ教官として迎えたいとカールスラントのミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐から要請があり・・・」 芳佳「ミーナ隊長が・・・」 土方「はい、それならば宮藤さんもぜひ連れて行きたいと少佐が・・・」 宮藤母「でも、芳佳がいってもお荷物になるだけじゃ・・・」 土方「いえ、なんでも宮藤さんはウィッチーズにいたとき食事当番を良くやっていたそうですね?」 芳佳「は、はい・・・やってました。」 土方「そのときの食事の評判がとてもよろしかったそうで、今回もぜひやっていただきたいと・・・」 芳佳「な、なんだか照れちゃうな・・・///」 土方「それにあなたという存在がウィッチーズの士気を保つためにも必要だと坂本少佐がおっしゃっていました。」 芳佳「私が・・・」 土方「無理にとは言いません。ですが可能ならばぜひ来て欲しいのです。」 芳佳「今度はどこを開放するんですか・・・?」 土方「はい、私が聞いた限りでは・・・」 土方「カールスラントだと。」 芳佳「カールスラント・・・」 土方「ええ、あの国は依然ネウロイに占領されたままです。」 土方「そこで、先日の国際会議でカールスラントの奪還作戦が発令されたそうです。」 芳佳「それをストライクウィッチーズが・・・」 土方「はい、ウィッチーズの中でもかなり功績のある部隊ですから・・・」 土方「たしか、501にはカールスラント出身の方もいらっしゃいましたよね?」 芳佳「はい、バルクホルンさんとハルトマンさんとミーナ隊長が・・・」 土方「そうですか・・・。宮藤さん厚かましいようで申し訳ないのですが、私も宮藤さんにはぜひついていっていただきたいと思います・・・」 芳佳「え・・・?」 土方「実はお2人が帰国してから少佐から501での話しをいろいろと聞きました。」 土方「もちろん宮藤さんのご活躍も・・・」 土方「その話の中でも少佐は特に宮藤さんのことを多く話してくれました。」 土方「それで、思ったんです。」 土方「あの部隊にはあなたが必要なんだと。」 土方「あなたがあの部隊に来てから部隊の皆さんもずいぶん変わったそうです。もちろん良い意味で。」 土方「少佐も言ってました。どんな時も宮藤さんが中心にいたと。」 芳佳「・・・・・・」 土方「あなたのおかげで本当の意味で部隊が一つになったと。」 土方「宮藤さん。どうかわれわれのお願いを聞いてはいただけないでしょうか・・・」 芳佳「・・・・・・少し・・・」 土方「・・・・・?」 芳佳「・・・少しだけ時間をください。」 芳佳「ダメ・・・ですか・・・?」 土方「いえ、時間はまだあります。」 土方「出発まではまだ2ヶ月ほどありますから。」 芳佳「それまでには必ず決めます・・・だから・・・」 土方「わかりました。それでは今日のところは失礼します・・・」 ---玄関--- 土方「今日は突然押しかけてしまってどうもすみませんでした。」 宮藤母「いいえ・・・」 土方「ああ、そういえば少佐から伝言を預かっていました。」 芳佳「・・・?」 土方「『私達は11人でストライクウィッチーズだ』」 芳佳「!!」 土方「いい返事を期待しています・・・それではまた。」 そう言って土方は去っていった。 宮藤母「・・・芳佳。」 芳佳「・・・なに、お母さん?」 宮藤母「本当はもう決まってるんでしょう?」 芳佳「・・・・・」 宮藤母「・・・行って来なさい。」 芳佳「・・・・・え!?」 宮藤母「お話を聞いててお母さん、すごくうれしかったわ。」 宮藤母「お母さんの知らないところで芳佳がそんなに成長していたなんて・・・」 宮藤母「それに、芳佳を必要としている人がたくさんいることもわかったし・・・」 芳佳「でもお母さん・・・私がいなくなったらまたお母さん達に心配かけちゃう・・・」 宮藤母「大丈夫よ。」 芳佳「え・・・?」 宮藤母「さっきのお話し聞いて心配なんて吹っ飛んじゃった。」 宮藤母「それにお父さんも言ってたでしょ?」 宮藤博士「芳佳。お前には母さんやおばあちゃんに負けない大きな力がある。その力で・・・」 宮藤博士『みんなを守るような立派な人になりなさい。』 ―――――― ――――― 2週間後芳佳は先日の返事をするために横須賀基地にいる坂本美緒のもとを訪れていた。 芳佳「こんにちはー」 整備士「おお!宮藤さんじゃないか!」 芳佳「お久しぶりです!あの、坂本さんはいらっしゃいますか?」 整備士「ああ、少佐に会いに来たのか。案内するよ。」 芳佳「ありがとうございます!」 ---施設内廊下--- 土方「宮藤さん!」 芳佳「こんにちは。その・・・今日はお返事に来ました・・・」 土方「そうでしたか!君、後は私が引き受けるから仕事に戻ってくれ。」 整備士「はっ!・・・それじゃあね、宮藤さん。」 芳佳「はい、案内ありがとうございました。」 土方「ではこちらへ・・・」 ---来客室--- 土方「少佐はもう少しで参りますので少々ここでお待ちください。」 芳佳「わかりました。」 5分後・・・ ガチャ・・・ 扉が開いた。そこにいたのは忘れもしない恩師の姿であった。 坂本「ひさしぶりだな、宮藤!」 芳佳「坂本さん!」 久々の再開に2人はしばらく思い出話しに花を咲かせていた。 坂本「ところで宮藤。」 突然坂本が真剣な面持ちになった。 坂本「先日の話の返事が聞きたいのだが・・・」 そう、カールスラントへ芳佳がついてくるのかという話しだ。 芳佳「あ、そうでしたね・・・すっかり忘れちゃってました・・・」 芳佳の相変わらずさにあきれてため息をつく坂本。 坂本「まったく・・・仕方の無いやつだ・・・それで?」 芳佳の眼差しが真剣なものに変わった。 芳佳「坂本さん・・・」 芳佳「私も連れて行ってください!」 芳佳「この2週間ずっと考えました。」 芳佳「ううん、答えははじめから決まってました。でも・・・」 坂本「でも?」 芳佳「やっぱり迷ったんです。家のことを考えると・・・」 芳佳「おばあちゃんやお母さんそれにみっちゃんにこれ以上心配かけてもいいのかなって。」 芳佳「でもみんな言ってくれました、『いってきなさい』って。」 芳佳「だから私行きます!私にも出来ることがあるから!」 坂本「はっはっは!そうか。なら一緒に行こう宮藤!」 坂本「私達は11人で『ストライクウィッチーズ』だ!」 芳佳「はい!」 こうして新たな物語の歯車が回り始めた。 続き→ペルソナ1 -ページの先頭へ
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前ページ次ページゼロのペルソナ 戦車 意味…勝利・失敗 ルイズたち一行は王都トリスタニアで武器を買ってからさらに馬に乗って内陸地にあるラ・ロシェールに着いた。 馬に乗りなれていない者たちは、一日中馬に揺られる苦行に体中を痛めつけられていた。 「ケツや腰がすんげー痛てえ……」 「奇遇だな完二、俺もだ……」 完二と陽介は仲良く腰を抑えながら石造りの町を歩いている。 「チミたち根性が足らんよー。クマは元気イッパイじるしクマ」 「はいはいそーだな」 町の入り口から入って一行は宿を探し、町で最も高級な『女神の杵』亭という宿に泊まることにした。 その一階の酒場で一行は疲れを癒す。 ただし、ワルドとルイズはこれからアルビオンに向かうために必要らしいことの交渉に出かけているためいない。 完二はこの世界では未成年の飲酒を禁じるという類の法律がないことをいいことに、嬉しそうに酒を飲んでいた。 クマも飲みたいと言い張ったが陽介がそれを強硬に反対したため飲めていない。 クマはジュースで場酔いしたこともある。実際に酒を飲ませたらどれほどタチの悪いことになるか分かったものじゃないというのが陽介の言い分だ。 陽介は、自分も酒を飲まないからとクマを説得したが、酒を飲まないのはクマのためというよりもこの間、酒をたくさん飲んで二日酔いになったらからであった。 他愛ないことを話しながら一行は時間を潰した。 しばらくしてワルドとルイズとルイズが帰ってきた。雨で少し濡れちゃったとルイズが文句を言っている。 話が盛り上がって気付かなかったが、確かに雨が建物を打つ音が聞こえる。 ちらりと部屋の一面にある石作りの窓を見ると幾つもの水の線が上から下へと引かれ、今まで気が使ったのが不思議なほどだ。 ワルドとルイズはウェイターにドリンク――陽介たちには分からない名前だったがおそらくアルコールだろう――を頼んでから言った。 「アルビオンに渡る船は明後日にならないと出ないそうだ」 「急ぎの任務なのに……」 「えっ、船?」 思わず耳を疑う。ラ・ロシェールに到着するまでの道のりでは海なんて見ていない。それどころかラ・ロシェールの周辺では湖や川さえ見ていない。 陽介の疑問を増やすような会話はさらに続く。 「あたしはアルビオンに行ったことないからわかんないけど、どうして明日は船が出ないの?」 「明日の夜は月が重なるだろう?『スヴァル』の月夜だ。その翌日の朝、アルビオンが最もラ・ロシェールに近づく」 陽介は頭に浮かべる疑問符の数を増やし、たまらずに尋ねた。 「な、なあ、ちょっと待てくれよ。アルビオンって国だろ?近づくってどういうことだ? それにここってどーみても内陸地で港町には見えないんだけど……」 今度はワルドが驚いた顔をした。何を言っているんだという顔だ。 質問に答えたのはキュルケであった。 「アルビオンは空飛ぶ大陸なのよ。で、空飛ぶ船でそこに向かうの」 その言葉に、ボケっとしていた完二とクマも、流石に驚いた。 「と、飛んでる?船が?国が!?」 「ホントクマ!?」 「マジかよ……」 そんな三人の態度にワルドは困惑したようだ。 「君たちそんなことも知らないのかい?」 「この子たちちょっと世間知らずだから」 さも不思議そうに尋ねてくるワルドに笑いながらキュルケが答えた。 そうなのかい。とワルドは返事をした。 これからのことについて少し話しあった後にワルドが話を切り上げることを提案して、鍵束を机の上に置いた。 「タバサとキュルケが相部屋。カンジ、ヨースケとクマはすまないが一部屋で構わないかい?空き部屋がなくてね……」 「構わないですよ」 「でもベッドどうスんスか?」 「しょうがないクマね。クマは今夜、陽介に暖めてもらうクマ。きゃっ!」 「キモいわ!お前は床で寝ろ!」 「しどい!冗談なのに!」 おいおいとクマは泣き真似を始める。 「ま、どうしてもっつーなら完二と一緒に寝るんだな」 「何勝手に決めてんだ!」 「それはいやクマ。冗談じゃなくテーソーが危ないクマ」 「テメーらシメっぞ……!」 使い魔三人がギャーギャーと騒ぎ始めるが、構わずにワルドは最後の一部屋の組み合わせを言った。 「僕とルイズは同室だ」 ルイズは目を丸くした。 「そんな、ダメよ!まだ、わたしたち結婚してるわけじゃないじゃない!」 「大切な話があるんだ。二人で話がしたい」 ルイズは狼狽しながらチラリと彼女の使い魔を見遣った。 「あら、ベッドが足りないならわたしのベッドに来る?わたしは大歓迎よ」 「まま、ま、マジっスか……?」 「ちょ、キュルケさん、大胆すぎるんですけど!」 鼻血を流していた完二は突然の爆発に襲われ、陽介は机の下から小さな主の蹴りをもらい、むこうずねを抑え呻いた。 次の日の朝、完二は扉がノックされる音で目が覚めた。 「ダレだよ、いったい……」 もう一つのベッドには着ぐるみを脱いだクマがベッドのド真ん中で寝ていた。陽介はベッドの脇の床で寒そうにしている。 昨夜、クマが陽介の寝ていたベッドに無理矢理入っていったので、寝ているうちにはじき落としたのであろう。 ノックの音は続いていた。 「わーってるよ……」 完二は自分の毛布をかわいそうな先輩に掛けてドアへ向かった。 開けるとそこにはワルドが立っていた。 「なんかようか?こんな朝っぱらから……」 せっかくの睡眠の時間を奪われ、ヒゲ面を見るのはいい気分ではなかった。 たとえそれが美男子であっても、完二にはその気はないので(かつて疑惑はあったが)同じことだ。 「きみは変わった力を持っているらしいね」 完二の顔に警戒の色が浮かぶ。 「なんで知ってんだ?」 「昨夜、ルイズが話してくれた。なんでもきみは別の世界から来たというじゃないか」 あのおしゃべりめ、と完二はつぶやく。 「これから任務を共にするものとして、その実力を知っておきたい。 さらに言えば、使い魔として、僕の許婚を守れるだけの実力を持っているかということもね」 回りくどい言い方だが、完二には彼の言わんとすることはわかる。あちらの世界でも散々やったことだ。 「そりゃあ、つまりケンカ売ってるってことか……?」 「そのとおり」 完二の剣呑な声にワルドはにやりと笑った。 二人は女神の杵の中庭に出た。地面が昨日の雨で濡れている。 ワルドが言うことには、女神の杵は昔、アルビオンからの侵攻に備えるための砦であったらしい。そのためか中庭は練兵場となっていた。 かつて兵たちが国王の閲兵を受けたという場所で、完二とワルドは向かい合う。 「昔……、と言ってもきみにはわからんだろうが、かのフィリップ三世の治下には、ここでよく貴族が決闘したものさ」 「それが今ナンか関係あんのかよ」 完二はつまらない歴史の抗議に興味はない。しかしワルドは喋り続ける。 「古き良き時代、王がまだ力を持ち、貴族たちがそれに従った時代……、貴族が貴族らしかった時代……、名誉と、誇りを掛けて僕たち貴族は魔法を唱えあった。 でも、実際は下らないことで杖を抜きあったものさ。そう、例えば女を取り合ったりね……」 「カンジ、頑張るクマー」 「恥かくなよ、完二!」 クマと陽介の野次が飛ぶ。二人が決闘することを聞き面白そうだと見にきたのだ。 「うっせえ!静かにしてろ!……あ、長話は終わったか?」 完二のあまりに礼を失する態度に流石に気分を害したのか、ワルドの頬の筋肉が引きつっている。 「んじゃあ、さっさとやろうぜ……」 「待ちたまえ、立会いにはそれなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」 「介添え人だぁ?」 「もう来たようだ」 ワルドがある方向を見遣る。完二も視線の先を追うと、ルイズが立っていた。 「ワルド、カンジ!なにやってるのよ」 「彼の実力をちょっと試したくなってね」 「そんなバカなことはやめて。カンジ、やめなさい。これは命令よ」 「黙ってろ。ケンカ売られといて、はいそうですかって引きさがれっか!」 ルイズの命令を跳ね除ける。 もう!と不機嫌になったルイズとは逆にご機嫌になったのは完二の背中にかけられた剣だった。 「戦うのか、相棒!なら俺の本気ちょっくら見せてやるよ!」 完二の背にあるデルフリンガーが叫んだ。 「さあ、俺を抜いてくれ!きっと驚くぜ」 完二は背中にぶら下げていたデルフリンガーを片手で持った。ただし、鞘をつけたまま。 「おいおい、相棒。抜いてくれよ!」 完二の扱い方に不満があるのかデルフリンガーは抗議の声を上げた。 「うっせえな、斬っちまうわけにもいかねえだろ」 「そりゃ、そーかもしれんけどさ……」 その様子を見たワルドは面白くなさそうな顔をする。 「きみが剣を抜かないとしても僕は手を抜くと考えいてるのかい?」 「はあ?んなセコイこと考えてるわけねーだろ」 完二が当たり前のことのように言う。 ワルドの顔はさらに不機嫌なものとなる。 ナメられている。そう思ったのかもしれない。 ワルドは杖を引き抜きそれを前方に突き出す。フェンシングのようだ。 「行くぞ」 ワルドのその言葉が合図となり、決闘は始まった。 ワルドは先制攻撃を仕掛けるべく杖をつくモーションに入った。完二もそれを知りつつも攻撃に移ろうとする。 ワルドが先手を取るかもしれないが構わない。 杖で突かれても致命傷にはならない。攻撃を受けながら一撃で倒してやる。 ワルドは完二の肉を切らせて骨を立つ攻撃を察知し攻撃をやめ、一旦引く。 「逃げんな!」 完二は距離をつめ鞘に納まったままの剣を横振りに振るった。ワルドはさらに引かざる得なくなり防戦一方になる。 「おー、カンジ、やるクマ」 完二とワルドの決闘騒ぎを観戦しているクマはのん気に言う。 「おーい、ルイズもこっち来てみようぜ」 ルイズは予想外に陽介の言ったとおりに彼らの座る階段に近寄って来た。ただしその顔には呆れたという表情が浮かんでいる。 「アンタらずいぶん気楽ね」 「まあまあ、いいじゃん、ケンカくらいさ」 ルイズは溜息を吐いた。 「あー、またカンジ外した!さっきから攻撃外し過ぎクマ!」 クマはじれったそうだ。 「あいつ俺らんなかじゃ一番遅かったもんなあ……」 陽介は仲間たちの姿を思い出す。みな様々なペルソナに目覚め能力を開花させた。完二はその中で一番の鈍足で、魔力も低かった。 その代わりに完二はパワーと体力においては随一で、同じ物理特化パワー型のペルソナ使い里中千枝より力においては上であったのだ。 そういう意味でワルドは正しい戦術を採っている。ワルドは先ほどから避けることに専念し、彼の武器である杖で受けようともしない。 完二の攻撃をまともに受ければ一撃でノックアウトされるであろうし、あのレイピアのような杖では重い一撃でへし折られてしまうだろう。 完二が一撃でも当たればいいのに対し、ワルドのあの杖の突きでは急所でもつかない限りは何度も攻撃しなければ頑丈な完二を倒すことはできないだろう。 しかし劣勢にありながらワルドには余裕こそないものの勝利を諦めているようには見えない。そう陽介には思えた。 ワルドは驚嘆しきっていた。 ルイズの言う彼女の使い魔の特別な力を出させるため、追い詰めてやるつもりが、なかなか思うようにことが運ばない。 それどころか戦いが始まってから完二に圧倒され続けている。 完二の武器の振りは大振りでスキだらけと言ってよかったが、そのスキがつけないのだ。理由は二つだ。 一つは完二の攻撃があまりにも強すぎること。彼の杖は剣を受けることさえできるが、完二の鞘ごと振り回す荒っぽい攻撃を受ければへし折れてしまうだろう。 もう一つは体さばき。 完二の戦い方は正規の訓練を受けたものではないのは素人目にも明らかなほどだが、戦いなれているのだ。 まるで素人が何度も生死をかけた戦いをしてきたかのような奇妙さだ。 ワルドもプロの戦士であるつもりだが、先ほどから完二が攻撃した後にカウンターするチャンスを窺っているがなかなか隙を見せない。 だが攻撃の隙が見つからないといってもそれは杖による突きに限定した場合だ。 彼の武器はそれだけではない。杖の使い方は突くことだけではない。むしろそれは補助にすぎないのだ。 防戦一方のさなか、詠唱を唱える。完二の攻撃を避けながら彼を打ち倒す魔法をちゃくちゃくと完成させていく。 ワルドは完二と武器を交えながら(実際はあわせていないが)呪文の詠唱を完成させた。 見えない空気のハンマーが横殴りに完二を襲った。 ワルドが使った魔法はエア・ハンマーだ。 風系統の攻撃の中で基本的なものだが、空気と侮るなかれ凝縮された空気の圧力は本物の槌で叩かれたかと錯覚するほどの衝撃を与える。しかもそれは不可視で避けることは難しい。 完二は不意を突かれ、その厚い空気の塊により、十メイル以上吹き飛ばされ積まれた樽に激突した。 ワルドは隙を見逃さずに詰め寄って勝負を決めようとする。しかし崩れていく樽の中からすぐに完二はすぐに立ち上がった。 立ち上がった完二にダメージを受けた様子も隙も見つけられずワルドは距離を詰めるのを断念する。 逆に今度は完二が詰め寄ってくる。 ワルドは許婚の使い魔の頑丈さに驚嘆しながらも呪文をさらに紡いだ。 頑強さなど関係なく確実に動きを止める魔法だ。ワルドが唱えようとしている魔法はどれほど頑丈であろうと、人間ならば耐えられない。 完二の手にあるインテリジェンスソードが叫んだ。 「俺でガードしろ!」 しかしワルドの魔法は完二がデルフリンガーにリアクションを起こすよりも早かった。 杖先の空気がゆがんで、そこから電撃が生まれる。そして超局地的な雷は完二捕らえた。 だが完二の足は止まらなかった。 「なにっ!?」 後に引かないようにやけどなどは出来ないほど威力は落とした。しかし人間ならしびれて動けなくなるはずだ。 予想外の出来事にワルドは反応が遅れる。 完二はワルドを射程距離に納めた。 完二は剣を振りかぶる。ワルドは避けられない。 そして――スリップして尻餅を突いた。 沈黙が流れる。 はっ、と我を取り戻したワルドが杖を完二に突きつけた。 「……降参するかい?」 「か、完二、ダッセー!!超ダッセー!!」 「あんなタイミングで転ぶなんてカンジは笑いのセンスがあるクマね、プククク」 完二は陽介とクマに指を指されて笑っていた。 「チッ、くそ……!」 完二は敗北者として潔くしている。言い訳はしない。 弁明めいたものをしたのは転がり込んできた勝利を手にしたワルドだった。 「地面は昨日の雨で濡れていた。もし雨がなければ勝っていたのはきみだろう」 しかしそれを完二は潔しとしない。 「言い訳なんてしねえよ、負けは負けだ」 完二はぶすっとして言う。 しかしワルドは彼をかばおうとして言ったわけではない。思ったことを言っただけである。 確かに戦場ならば、もしなんて意味はなく結果が全てで、生き残ったのはワルドであっただろうが、結局はラッキーに過ぎない。 そんなものを手放しに喜べるほどワルドは単純ではなかった。 ワルドの許婚であるルイズも彼女の使い魔の強さに驚いていた。 魔法衛士隊の隊長であるワルドと互角以上に武器を交え、エア・ハンマーを喰らっても即立ち上がり、ライトニングクラウドを喰らっても構わず攻撃を行った。 こんな平民他にいるはずがない。 二人の魔法使いが物思いにふけるなか、もともと彼の強さを知っていた陽介とクマはバカ笑いを続けていた。 物笑いの種にされていた完二も我慢の限界を迎えた。 「テメーら、いい加減にしやがれ!!」 完二が怒鳴り声を上げる。陽介とクマはやばいと言って逃げ出した。完二はそれを追う。 「ちょっ、言い訳しないんじゃなかったのかよ!?」 「やめれー!」 「うるせえ!シメてやる!」 練兵場で陽介とクマを追い、グルグルと回り続ける様子は、ワルドとルイズが思うような強い使い魔には不似合いな姿であった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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ストーリー・世界観 ストーリー・世界観ストーリー 備考 ストーリー 今回、ペルソナ使いたちが挑む舞台は、八十神高校の七不思議になる。 八十神高校七不思議の中に、時計塔の鐘の話がある。 その鐘を聞いた人は、死んでしまうという。 時空を超えて、ペルソナ使いたちが出会う。 知られざる物語が、いま、始まる 備考 今回は、ペルソナ3とペルソナ4のキャラクターが3DSで共闘することになる。 実際にペルソナシリーズを体験したことがない方であっても、楽しめるゲームになっている。 そのため、このゲームをプレイしてみて、元ネタでもあるペルソナ3やペルソナ4をプレイしてみるのも良い。
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朝 ---ブリーフィングルーム--- エイラ「えっ・・・?」 ゲルト「俺が・・・帰ってきていない・・・?」 ミーナ「ええ・・・今朝の最後の定時連絡の後から行方が分からないのよ・・・」 エーリカ「ネウロイに撃墜された・・・とか・・・?」 ミーナ「いいえ・・・管制班からも、ネウロイ出現の報告はないからそれは無いはずよ・・・」 ペリーヌ「まさか、脱走したんですの・・・?」 リーネ「そんな・・・」 ミーナ「分からないわ・・・今、本部に連絡して捜索を頼んでいるけれど、それで見つからなければ・・・」 坂本「・・・今は、信じて待つしかないな・・・」 全員「・・・・・」 夜 ---執務室--- 坂本「まさかこんなことになるとはな・・・本部から何か情報は?」 ミーナ「いいえ、まだ何も・・・軍も市街地のネウロイの対応に追われていて、捜索のための人員を割けないのよ・・・」 坂本「このまま見つからなければ・・・」 ミーナ「ええ・・・前の宮藤さん同様、無許可離隊罪になるわ・・・それに、もし仮に戻ってきたとしても、彼自身に戻る意思がなければ・・・」 坂本「・・・それと、サーニャのことだが・・・」 ミーナ「わかってる・・・わかってるわ・・・私の、責任ね・・・」 坂本「それは違うぞ、ミーナ。」 ミーナ「いいえ・・・私が寛容になりすぎたばっかりに・・・こんなことになるなら、やっぱり初めから・・・」 坂本「ミーナ!!」 ミーナ「! 美緒・・・」 坂本「ミーナの所為ではない。それに、規則で縛ったところでどうにかなる問題ではないだろう。」 ミーナ「そう・・・ね・・・」 坂本「正直、今の隊内の士気は最悪だ。だからこそ、纏める者が必要なんだ。ミーナ、私はお前しかいないと思っている。」 ミーナ「・・・・・」 坂本「私も、できる限りの手は尽くす。だから頼む、ミーナ。」 ミーナ「・・・ええ。もちろんよ。」 ---俺の部屋--- ガチャ ツカツカ サーニャ「・・・・・」 空っぽの部屋。 いつもならこの部屋にあの人が居るはずなのに、今はいない・・・ ポフッ 彼のベッドに倒れこみ、体を預ける。 そこからわずかに香る彼の匂い。胸が・・・苦しくて、切ない・・・ サーニャ「俺さん・・・」ギュッ ---どこかの海岸--- 海岸には一人の男性の姿があった。 ?「む・・・?」 男性の視界に倒れた人が目に入る。男性はその海岸に倒れた人影へと歩み寄り、声をかける。 ?「おい、しっかりしろ。」ペチペチ 俺「・・・・・」スー…スー… ?「呼吸はあるようだな・・・む?」 男性がふと逸らした視線の先には、波に打ち揚げられたストライカーがあった。 ?「・・・これも運命・・・か・・・」 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (memento mori.PNG) ~行方不明から6日目~ ---???--- 俺「う・・・ん・・・?」ヒョコッヒョコッ 気づけばいつもと違う、見慣れない天井が目に入る。魔眼が強制発動するせいで視界がぼやけるが、自分の知らない場所だということは匂いですぐに分かった。 俺「っと・・・メガネメガネ・・・」 体を起こし、抑制用のメガネを探すがなかなか見つからない。 ?「これか?」スッ 俺「あ、どうも・・・」カチャリ メガネをかけると同時に魔眼がしまわれ、使い魔の耳と尾が引っ込む。 ?「今の獣耳・・・お前はウィッチなのか?」 俺「え?あぁ・・・はいっス・・・ってあれ?」 声のするほうへ目を向けると、見知らぬ金髪の男性が立っていた。 俺「あの・・・」 ?「ここは私の家だ。」 俺「そ、そうっスか・・・」 質問をする前に即答で返された。 俺「あの、助けていただいたようでありがとうございました・・・えっと・・・」 男「『男』、だ。『男』もしくは『メデューサの涙』と呼んで欲しい。」 俺「め、メデューサ・・・?」 男「冗談だ。」 俺「は、はぁ・・・」 真顔でそう言う男さん。本気で言ってるのかどうなのか分からなくて、正直恐い。 俺「俺は、『俺』っていいます。あの、ありがとうございました、男さん。」 男「礼には及ばん。散歩のついでに拾っただけだ。」 ついでって・・・ グゥゥゥ~ そんなことを考えていると、不意に俺の腹が空腹を告げる。 男「腹が減っているのか。何か持ってきてやる。待っていろ。」 俺「あ、いえ!お構いなく・・・」 ---501基地内ラウンジ--- ペラッ エイラ(塔の逆位置・・・か・・・) 俺が居なくなってから6日が経った。 捜索は相変わらず続けられているけど、いまだにアイツ見つかる気配は無かった。 サーニャ「・・・・・」 あれからのサーニャは必要な時以外は部屋から出なくなって、私ともあまり言葉を交わしてくれない・・・ 今も部屋でずっと、俺から貰ったって言うヌイグルミを抱いて閉じこもったままだ・・・ エイラ「そろそろお昼ダナ・・・ご飯食べに行こう、サーニャ?」 サーニャ「いらない・・・」 エイラ「食べなきゃ元気でないんだゾ!・・・じゃ、じゃあワタシ、お昼もらって来るから一緒に食べよう!ナ!」 サーニャ「・・・・・」 エイラ「じゃあ、もらってくるナ!」 ガチャ バタン エイラ「・・・・・」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― エイラ「お前さえ来なけりゃ、こんな事にはならなかったんじゃないのカ!?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 私があんなことを言ったから、俺は戻ってこないのだろうか・・・ 別にアイツが嫌いだからこんなことを言ったわけじゃない。むしろ、あいつは仲間だし、家族だから・・・ でも理由なんか当に分かりきっている。私は怖かったんだ。 もちろん自分が死ぬことは怖い。でもサーニャを失ってしまうことのほうがその何倍、何千倍も怖かった。 サーニャは私の戦う理由で、大切な人だから・・・ アイツの所為じゃないってのは分かってる。憎む相手は、本当ならネウロイの研究なんかしてたヤツラだ。でも、もうその憎むべき相手はこの世にはいない・・・ だからワタシは、そのやり場のない思いの矛先を、俺へと向けてしまった・・・ エイラ「・・・・・」グッ… 翌日 ~行方不明から7日目~ ---男の家--- 俺「・・・・・」 手を握ったり開いたりを繰り返す。何度やってもちゃんと感覚が伝わる。 ストライカーを消失し、結局行く当てもない俺は一晩男さんの家に泊めてもらった。 海に落ちて、死ぬことを覚悟したはずの俺は今もこうして生きている・・・でも、どうしたらいいのか分からなかった。 いや・・・本当なら死んでしまいたかった。そうすればもう苦しい思いをしなくて済むから・・・ 男「少年。」 俺「あ、はい。なんスか?」 男「お前は、ウィッチだと言ったな。」 俺「は、はいっス・・・それが、なにか・・・?」 男「こっちへ来い。」 俺「?」 ---ガレージ--- 俺はいろいろなガラクタが積まれた広いガレージへと連れてこられた。 男さんはガレージの中心にある、布のかかった物がある場所へと俺を誘う。 男「これを見ろ。」バサッ 俺「! これって・・・」 男さんが布を取り払うと、現れたのは修理途中の俺のストライカーだった。 男「これはお前のものか?」 俺「はいっス・・・でも、どうして・・・」 男「お前と一緒に海で拾った。」 俺「でも、拾う意味は・・・」 男「前も、扶桑製のストライカーと扶桑の剣を拾った。その時もこうして修理して本国に送り返した。無論、剣は直せなかったが。」 俺「修理・・・男さんは技術者なんスか?」 男「もとは去る国の技研でストライカーのエンジニアをしていた。今は辞めて、ジャンク屋兼修理屋をしている。これを修理をしているのは、あくまで私の趣味だがな。」 俺「そうだったんスか・・・」 男「しかし、またこうしてこれに出会うことになろうとはな・・・」ボソ… 俺「・・・?」 男「すまん。独り言だ。聞き流してほしい。」 俺「はぁ・・・」 男「それと、お前の武器とおぼしき物も回収しておいた。後で見せてやる。」 俺「・・・・・」 男「なんだ、嬉しくないのか。」 俺「あ、いえ・・・感謝してます。ありがとう、ございます・・・」 男「・・・そろそろ飯時だな。戻るぞ。」 俺「は、はい・・・」 ---501基地内ラウンジ--- ゲルト「もう一週間か・・・一体どこへ行ったんだ・・・俺・・・」 ルッキーニ「ねぇ、シャーリー・・・俺、まだ戻ってこないの・・・?」 シャーリー「大丈夫だ、ルッキーニ。もうじき帰ってくるさ。」 ルッキーニ「本当・・・?」 シャーリー「ああ。本当だ。」ニッコリ エーリカ「ねぇ、エイラ、サーにゃん、どうしてるの?」 エイラ「・・・部屋に・・・居るヨ・・・ずっと、出ようとしないんダ・・・」 芳佳「サーニャちゃん、何かあったんですか・・・?」 全員「!!」 みんなが声のするほうへと振り向く。そこには自室で療養していたはずのミヤフジがいた。 ゲルト「宮藤!」 ルッキーニ「芳佳!!」 シャーリー「ケガはもういいのか?」 芳佳「はい、私はもう大丈夫です。それより、さっきの話・・・」 リーネ「あのね・・・」 リーネが宮藤に小声で事情を話す。 芳佳「俺さん・・・居なくなっちゃったんですか・・・どうして・・・」 ゲルト「わからない・・・何も情報が入ってこないんだ・・・」 シャーリー「捜そうにも、私たちはネウロイの襲撃に備えなくちゃいけないからな・・・」 芳佳「・・・エイラさん。」 エイラ「・・・・・ナンダ・・・」 芳佳「サーニャちゃんの側に居なくていいんですか?」 エイラ「・・・・・」 芳佳「サーニャちゃん、きっと寂しい思いをしてると思います。誰かが側に居てあげないと・・・」 エイラ「わかってル!そんなのわかってるんダ!でも・・・」 エイラ「側にいても、どう声をかけたらいいか・・・わからないんダヨ・・・」 芳佳「・・・なら、私が行きます。」 エイラ「え・・・?」 芳佳「待っててください。きっとサーニャちゃんを部屋から出してみせます。」 テクテク そう言い残して、ミヤフジはラウンジを出て行った。 ---エイラ&サーニャの部屋--- コンコン サーニャ「・・・?」 芳佳「サーニャちゃん、居る?」 芳佳ちゃん・・・? 芳佳「ごめん、勝手に開けるね。」 ガチャ 芳佳「よかった、返事がないから心配しちゃった。」 サーニャ「どうして・・・」 芳佳「サーニャちゃん、元気がないって聞いたから、居てもたってもいられなくなって来ちゃった。」エヘヘ サーニャ「怪我は・・・?もういいの・・・?」 芳佳「うん!この通りもう・・・」ズキッ 芳佳「っ・・・!あはは・・・やっぱりまだちょっと痛いかも・・・」 サーニャ「芳佳ちゃん・・・」 芳佳ちゃんは無理をしてまで、私のために来てくれた・・・そんな芳佳ちゃんに、一人にしてほしいなんて、言えるわけがなかった・・・ サーニャ「無理しちゃダメ・・・ここ、座って・・・」 芳佳「う、うん。ごめんね、逆に心配させちゃって・・・」 芳佳ちゃんをベッドに座らせ、私もその隣に座る。 サーニャ「・・・・・」 芳佳「そのお人形、どうしたの?いつもは、えっと・・・そう、ネコペンギンじゃなかったけ?」 サーニャ「・・・ジャックフロスト・・・俺さんに、貰ったの・・・」ギュッ… 芳佳「そうなんだ・・・」 芳佳(俺さんいつの間にこんなのプレゼントしてたんだ・・・それにサーニャちゃん、すごく大切そうに抱きしめてる・・・) サーニャ「どうして・・・・・」 芳佳「・・・?」 サーニャ「どうして俺さん、戻ってこないのかな・・・」 芳佳「サーニャちゃん・・・」 サーニャ「俺さんのせいなんかじゃないのに・・・俺さん、全部自分のせいだって・・・一人で全部抱え込んで・・・」 サーニャ「一番辛いの、俺さんのはずなのに・・・もし死んじゃたりしてたら・・・私・・・」 言葉を続けるうちに目蓋が熱くなって、胸が苦しくなる・・・ 芳佳「サーニャちゃん。」 不意に芳佳ちゃんが私の名前を呼ぶ。私はそこで言葉を止めた。 芳佳「私の目を見て。」 ゆっくりと顔をあげて芳佳ちゃんの顔を見る。でも、もう私の目は涙でいっぱいで芳佳ちゃんの顔も滲んで見えた。 そんな私に、芳佳ちゃんは私の両頬に手を優しく添えてこう言った。 芳佳「大丈夫だよ。」 サーニャ「え・・・?」 その時点では、私はその言葉の意味を捉えることができなかった。芳佳ちゃんは続ける。 芳佳「サーニャちゃんはきっと、俺さんのこと大事に思ってるんだよね。」 サーニャ「・・・・・」コクリ 芳佳「サーニャちゃんは、俺さんに会いたいんだよね。」 サーニャ「うん・・・」 芳佳「だから、大丈夫。俺さんは絶対に戻ってくるよ。」 サーニャ「どうして・・・そう思うの・・・?」 少し震えた声で、私は聞き返す。 芳佳「俺さんもサーニャちゃんのこと、大切に思ってるからだよ。」 サーニャ「俺さんが・・・?」 芳佳「うん。そのお人形をサーニャちゃんにプレゼントしたのだって、大切に思ってる証拠だよ。きっと、俺さんもサーニャちゃんに会いたいって思ってる。」 芳佳(それに、私は知ってるから・・・俺さんがサーニャちゃんのことが好きで、大切に思ってるってこと・・・) 芳佳「だから、絶対に諦めちゃダメ。絶対に帰ってくるって信じよう。ね?」 そう言う芳佳ちゃんの目は、本当に真っ直ぐで、とても嘘を言うような目には見えなかった。 思い返せば、前も芳佳ちゃんには同じようなことを言われた。 どっちも諦めないでいれば、きっといつかは会える。 お父様とお母様のことを芳佳ちゃんに話した時、彼女は私にそう言ってくれた。その言葉は今も私の中に残っていて、私を支えてくれている。 根拠なんか無い。でも、芳佳ちゃんの言葉は本当に力強くて、私はもう一度勇気をもらった気がした。だから私は・・・ サーニャ「・・・うん・・・ありがとう、芳佳ちゃん。」ニコ と返事を返した。 芳佳「あ、やっと笑ってくれたね。」ニコ サーニャ「え?」 芳佳「サーニャちゃん、ずっと悲しそうな顔してたから。やっぱり、サーニャちゃんは笑顔な時が一番素敵だよ。」 サーニャ「・・・///」 芳佳「ふふ。じゃあ、みんなの所行こっか。みんな、ずっとサーニャちゃんのこと心配してたんだ。」ニコ サーニャ「うん。」ニコッ ~行方不明から8日目~ ---孤児院--- 死にたいと思いながら碌に死ぬ勇気も出ず、結局俺は、もう一日男さんの家に泊めてもらった。 今日は男さんに連れられて、俺はとある孤児院へやってきていた。 前に交流した所とは別の孤児院だ。 男さんはよく、あまった機械の部品でおもちゃを作って、ここの孤児院の子供達にプレゼントしているそうだ。 今回もそのために車でここまでやってきた。 段階的に発令されつつある外出禁止令も、この地域はまだ発令されていなかったようで、特に障害も無く外に出ることが出来た。 短髪の男の子「あ!メデューサ!!」 リボンをつけた女の子「メデューサ!メデューサ!!」 男「フッ・・・」 男さんは満更でもない笑みを浮かべる。 俺「・・・・・」 鼻水を垂らした男の子「おもちゃは~?」 男「案ずるな、若き未来の星たちよ。少年、配るのを手伝ってくれ。」 俺「あ、はいっス。」 ポニテの女の子「ねぇ、お兄ちゃん誰?」 俺「え?お、俺?俺は・・・」 男「そいつはウィッチだ。男のな。」 短髪の男の子「え?男なのにウィッチなの!?すげー!」 リボンをつけた女の子「お空を飛ぶの?それとも陸で戦うの?」 俺「あ、いや・・・空を、飛ぶよ・・・」 スゲー! カッチョイイ ワイワイ 鼻水を垂らした男の子「ねぇ、お兄ちゃん。ネウロイ、いついなくなるの?」 俺「え?」 メガネをかけた男の子「ネウロイがいるから、ぼくたち、お外であそべなくなっちゃうんだって・・・」 リボンをつけた女の子「もうすぐがいしゅつきんしれいって言うのがでるからって、せんせいが言ってたの・・・」 ポニテの女の子「おねがい、早くやっつけて!」 オニイチャン オネガイ ネウロイヤッツケテ! ワーワー そう言って俺にすがりついてくる子供達。 そんな姿を見て、俺は目の前の現実から目を背けたくなった。 この子達は、世界が滅びようとしていることを知らない・・・それも、俺のせいで・・・ それが堪らなく辛くて、何も出来ない自分が情けなくて、悔しかった。 ヒシッ… 俺は子供達を抱き寄せて、 俺「ごめん・・・本当に・・・ごめん・・・」ポロポロ ただ、そう言う事しかできなかった・・・ 男「・・・・・」 リボンをつけた女の子「お兄ちゃん・・・なんで泣いてるの・・・?」 ポニテの女の子「泣かないで・・・」 俺「あ・・・ご、ごめん・・ビックリさせちゃったよな・・・」コシコシ メガネの男の子「ネウロイ・・・やっつけてくれる・・・?」 俺「あ、あぁ・・・そうだね・・・」 短髪の男の子「ホントに!?約束だよ!」 俺「うん・・・」ニコ… 俺は、生返事を返す事しかできなかった・・・ 夜 ---バルト海上空--- ブロロロロロロロロ… エイラ「どうした?サーニャ?」 サーニャ「ごめん。少し、やりたい事があるの。」 そう言って私は上昇し、高度を稼ぐ。 あの後、ミーナ中佐から下された任務を実行するために。 ヴン… 魔導波を伝播させ、俺さんに語りかける。 私に新たに下された任務は、魔導針を使っての俺さんとの交信だった。 サーニャ(俺さん・・・どこ・・・?) 諦めずに何度も呼びかける。きっと生きている。そう信じて。 でも、答えは返ってこない・・・ 日増しに強くなる、俺さんに会いたいという気持ち。 この気持ちを恋だと知ったのは、リーネさん達とお話ししたあの時から・・・ 一緒に故郷のお話しをして、ご飯を食べて、哨戒もして、お出かけして、遊んで、それで・・・ 私が彼からもらったものは、何もかも新しい事ばかりで、一緒に過ごす毎日が本当に楽しくて・・・幸せで・・・ そしていつしか私は、自然に、俺さんを好きになった・・・ サーニャ「♪~♪♪~」 俺さんが子守唄だと言っていた歌を乗せて伝える。 きっと、届くと信じて・・・ 会いたいです・・・俺さん・・・ エイラ「・・・・・」 翌日 ~行方不明から10日目~ ---501基地内食堂--- 昼 エーリカ「おいひ~!これサーニャが作ったんだよね?」モグモグ サーニャ「はい・・・ピロージナエ・カルトーシカって言って、昔、お母様に作ってもらったことがあるんです。」 エーリカ「へ~。リーネや俺のお菓子も美味いけど、サーニャも上手だよな~」モグモグ シャーリー「ああ、こりゃなかなかうまいな。な、ルッキーニ。」 ルッキーニ「うん!」 サーニャ「あ、ありがとうございます・・・お口にあったみたいで、よかったです・・・///」 エイラ「・・・・・」 ミヤフジのおかげで、サーニャは元気を取り戻し、今ではこの通りだ。そのおかげで基地の雰囲気もだいぶ良い方へと変わってきている。 そう、ミヤフジのおかげで・・・ それは、ワタシにとって嬉しいことでもあり、逆に、自分がサーニャに何もしてあげられなかったことが悔しくもあった・・・ ペラッ エイラ(また塔の逆位置・・・) ペリーヌ「そんな暗い顔で、何をしていらっしゃるの?」 エイラ「うわっ!って、なんだ、お前カ・・・」 ペリーヌ「なんだとは失礼な・・・まぁいいですわ。それより、サーニャさんが元気になったっていうのに、嬉しくありませんの?」 エイラ「嬉しいヨ・・・嬉しいに、決まってル・・・」 ペリーヌ「顔にはそうは書いていないみたいですけど。」 エイラ「えっ・・・」 ペリーヌ「彼のことが、気になっているんでしょう?」 エイラ「・・・・・」 ペリーヌ(言い返さないということは図星かしらね・・・) エイラ「・・・アイツは・・・・・」 ペリーヌ「・・・?」 エイラ「アイツは、ワタシのせいで戻ってこないのかナ・・・?」 ペリーヌ「さぁ、どうかしらね。少なくとも、彼のあの時の表情からみれば少しは応えていたかも知れませんわね。」 エイラ「そう、だよナ・・・」 ペリーヌ「でも・・・」 エイラ「?」 ペリーヌ「あの時の貴女を責められる人なんか、誰もいませんでしたわ。」 エイラ「・・・・・」 ペリーヌ「突然、絶対に死ぬだなんて言われて平気な人なんか誰もいませんわ。私だって、怖いですもの。なによりも、大切な祖国や、仲間を失うことが・・・」 ペリーヌ「あなたも、自分の大切なものを失うのが怖くて、俺さんにあんなことを言ったんでしょう?」 エイラ「! ・・・・・」 見事に言い当てられた・・・ペリーヌとも長い付き合いだけれど、本当に人をよく見ているというか・・・とにかくコイツもすごい奴だ・・・ツンツンしているところを除いて。 ペリーヌ「ほかの皆も、今はああやって振る舞ってはいますけど、思いは貴女と同じはずですわ。」 エイラ「・・・そうだよナ・・・その、ありがとナ。少し、気が楽になったヨ。」 ペリーヌ「そう。それはよかったですわ。では、私はこれで失礼しますわ。」テクテク そう言ってペリーヌは食堂から去って行った。 エイラ「・・・・・」 でも、私の心にはまだ俺に対する別の感情が引っかかっていた・・・それは・・・ サーニャ「エイラ・・・?」 エイラ「へ?あ、サーニャ・・・」 サーニャ「お部屋、戻ろう?また少し眠くなっちゃったわ・・・」コシコシ エイラ「あ、ああ・・・そうダナ・・・」 夜 ---男の家--- 男「少年。」 俺「はい・・・なんっスか・・・?」 男「昨日、なぜ子供たちに謝った?」 俺「・・・・・」 男「言えないことなのか?」 俺「そう言うわけじゃ・・・」 男「なら話せ。」 言おうか言うまいか少しためらう。でも正直な気持ち、吐き出さなければ自分がどうにかなってしまいそうだった。 俺「・・・分からないんです・・・生きていていいのか、それとも死んだほうがいいのか・・・」 男「何?」 俺「こんな話、信じてもらえるかはわからないっスけど、今、世界は、俺のせいで滅びようとしてるんス・・・」 男「ふむ・・・」 俺「・・・疑わないんですか?」 男「まだ最後まで話を聞いていないからな。疑うかどうかはそのあとに判断する。それで?」 俺「・・・それなのに・・・あの子たちはその事を知らなくて・・・自分が蒔いた種なんだからなんとかしなきゃいけないはずなのに、俺、その滅びを止める方法も知らないから・・・」 男「だから謝ったのか。」 俺「はい・・・」 男「ならば、死ぬという選択肢は今ここで捨てろ。」 俺「え・・・」 男「その滅ぶという話が本当だとしても、それはお前が命を絶つことで解決するのか?」 俺「・・・・・」 男「それに、自ら命を絶つということは、お前が踏みにじってきた者たちの命を全てを冒涜することになる。」 俺「俺が踏みにじってきた・・・命・・・?」 男「お前はそんなことも知らずに今まで生きてきたのか。それは随分と幸せな生を歩んできたようだな。このホモサピエンスの面汚しめ。」 俺「・・・・・」 男「いいか、人間という生き物は、終わらない犠牲の輪廻の上で生の充足を得るのだ。」 俺「・・・?」 男「人間は己が命を明日へ繋ぐために何かを殺し、飯を喰らう。また、人間は行動を起こすために大地を踏み締め、その下に住まう小さな虫達を殺す。またある時は他人の関係に良くも悪くも干渉し、言葉で隣人を殺す。」 男「少年。人間は生きることで確実に別の何かを殺しているのだ。お前が生まれてこの方一度も、何かを殺さなかったということは決してない。無論、この私もな。」 俺「!!」 途方もなく・・・どうしようもない現実を目の前に突き付けられた・・・そんなこと、今の今まで考えたこともなかった。 滅び云々以前に、俺はすでに人を殺していたかもしれない・・・ 親父と約束した、人は絶対に殺さないという約束も、俺の心ない一言で死んだ人がいて、もうとっくに破っていたのかもしれない・・・ 男「だから少年よ。人間はそうして死んでいった命たちに報いるためにも生き続けなければならない。生きて苦を味わうことこそが人の生だ。私はそう考えている。」 俺「・・・・・」 男「・・・それでも尚、死を考えるというならば、今日お前が寝床につく前に、お前の国の言葉でいい。『ありがとう』と千回唱え続けろ。それで何も見えてこなければ、私からお前に言うことは何もない。勝手にするがいい。」 ---男の家 2階--- ラジオの声≪・・・依然、小型ネウロイはザザッ・・・おり絶望病の患者ザザッ・・・ます。≫ 俺「・・・・・」 男さんから借りているラジオを聴くことがここに来てからの俺の日課になっていた。アンテナの部分は壊れていて、替えも無いので俺の魔導針で代用している。 俺「ありがとう・・・ありがとう・・・」 男さんに言われたことを試してみる。俺はただひたすらにありがとうと唱え続けた。 俺「ありがとう・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」 5分・・・10分・・・いや、もう何分経ったかもわからない。それでも俺はひたすらに唱え続けた。そんな時だった。 俺「ありがとう、ありがとう、ありがとう」ツー… 突然、俺の頬に涙が伝いだした。 俺「ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・」ポロポロ それはやがて、留める事のできない感情の奔流となって溢れ出す。 ありがとうと唱え続けるうちに、俺の心は自然と温かな気持ちになっていった。 俺「ありがとう・・・グスッ・・・あり・・・がとう・・・」ポロポロ いつしかありがとうと一言唱える度に、今まで俺が関わってきたすべての人の顔が思い浮かぶ。 親父にお袋、じいちゃんにばあちゃん。ガキの頃一緒に遊んだ友達。近所のおじちゃんやおばちゃん。下ネタを吐きあった整備兵のみんな。寂しいときの話し相手になってくれた管制の人。基地の女医さん・・・ そしてなにより、ミーナ隊長、坂本少佐、宮藤さん、リーネさん、ペリーヌさん、バルクホルン大尉、ハルトマン中尉、シャーリーさん、ルッキーニさん、エイラさん、そして・・・ 俺「サーニャさん・・・」ポロポロ ようやく気付いた。俺は、こんなにもたくさんのありがとうに囲まれてきたんだと・・・ そして悟った。今命を絶てば、自分が大切にしてきた、ありがとうをくれた人たちを守ることができなくなるのだと。このままでは、自分が大切な人達を滅ぼしてしまうのだと。 俺「それだけは・・・絶対に嫌だ・・・」グスッ 俺は守りたい。俺の大切な人達を、たくさんの『ありがとう』をくれた人たちを。 ラジオの声≪ザザッ…♪~♪ザザッ…♪・・・≫ 俺「! これって・・・」 ラジオの声≪ザザー・・・≫ ほんの一瞬だけ聞き覚えのある歌声が聞こえた。しかしそれはすぐに聞こえなくなってしまった。 でも確信した。今の声の主は、俺の大切な人だと・・・ 俺「ははっ・・・だっせーな、俺・・・うっし!」ゴシゴシ 俺は、生き続ける。俺の大切なものを守るために。 続き→ペルソナ17.5
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未投下 前へ 目次へ戻る 次へ 朝 ---ブリーフィングルーム--- エイラ「えっ・・・?」 ゲルト「俺が・・・帰ってきていない・・・?」 ミーナ「ええ・・・今朝の最後の定時連絡の後から行方が分からないのよ・・・」 エーリカ「ネウロイに撃墜された・・・とか・・・?」 ミーナ「いいえ・・・管制班からも、ネウロイ出現の報告はないからそれは無いはずよ・・・」 ペリーヌ「まさか、脱走したんですの・・・?」 リーネ「そんな・・・」 ミーナ「分からないわ・・・今、本部に連絡して捜索を頼んでいるけれど、それで見つからなければ・・・」 坂本「・・・今は、信じて待つしかないな・・・」 全員「・・・・・」 夜 ---執務室--- 坂本「まさかこんなことになるとはな・・・本部から何か情報は?」 ミーナ「いいえ、まだ何も・・・軍も市街地のネウロイの対応に追われていて、捜索のための人員を割けないのよ・・・」 坂本「このまま見つからなければ・・・」 ミーナ「ええ・・・前の宮藤さん同様、無許可離隊罪になるわ・・・それに、もし仮に戻ってきたとしても、彼自身に戻る意思がなければ・・・」 坂本「・・・それと、サーニャのことだが・・・」 ミーナ「わかってる・・・わかってるわ・・・私の、責任ね・・・」 坂本「それは違うぞ、ミーナ。」 ミーナ「いいえ・・・私が寛容になりすぎたばっかりに・・・こんなことになるなら、やっぱり初めから・・・」 坂本「ミーナ!!」 ミーナ「! 美緒・・・」 坂本「ミーナの所為ではない。それに、規則で縛ったところでどうにかなる問題ではないだろう。」 ミーナ「そう・・・ね・・・」 坂本「正直、今の隊内の士気は最悪だ。だからこそ、纏める者が必要なんだ。ミーナ、私はお前しかいないと思っている。」 ミーナ「・・・・・」 坂本「私も、できる限りの手は尽くす。だから頼む、ミーナ。」 ミーナ「・・・ええ。もちろんよ。」 ---俺の部屋--- ガチャ ツカツカ サーニャ「・・・・・」 空っぽの部屋。 いつもならこの部屋にあの人が居るはずなのに、今はいない・・・ ポフッ 彼のベッドに倒れこみ、体を預ける。 そこからわずかに香る彼の匂い。胸が・・・苦しくて、切ない・・・ サーニャ「俺さん・・・」ギュッ ---どこかの海岸--- 海岸には一人の男性の姿があった。 ?「む・・・?」 男性の視界に倒れた人が目に入る。男性はその海岸に倒れた人影へと歩み寄り、声をかける。 ?「おい、しっかりしろ。」ペチペチ 俺「・・・・・」スー…スー… ?「呼吸はあるようだな・・・む?」 男性がふと逸らした視線の先には、波に打ち揚げられたストライカーがあった。 ?「・・・これも運命・・・か・・・」 ~行方不明から6日目~ ---???--- 俺「う・・・ん・・・?」ヒョコッヒョコッ 気づけばいつもと違う、見慣れない天井が目に入る。魔眼が強制発動するせいで視界がぼやけるが、自分の知らない場所だということは匂いですぐに分かった。 俺「っと・・・メガネメガネ・・・」 体を起こし、抑制用のメガネを探すがなかなか見つからない。 ?「これか?」スッ 俺「あ、どうも・・・」カチャリ メガネをかけると同時に魔眼がしまわれ、使い魔の耳と尾が引っ込む。 ?「今の獣耳・・・お前はウィッチなのか?」 俺「え?あぁ・・・はいっス・・・ってあれ?」 声のするほうへ目を向けると、見知らぬ金髪の男性が立っていた。 俺「あの・・・」 ?「ここは私の家だ。」 俺「そ、そうっスか・・・」 質問をする前に即答で返された。 俺「あの、助けていただいたようでありがとうございました・・・えっと・・・」 男「『男』、だ。『男』もしくは『メデューサの涙』と呼んで欲しい。」 俺「め、メデューサ・・・?」 男「冗談だ。」 俺「は、はぁ・・・」 真顔でそう言う男さん。本気で言ってるのかどうなのか分からなくて、正直恐い。 俺「俺は、『俺』っていいます。あの、ありがとうございました、男さん。」 男「礼には及ばん。散歩のついでに拾っただけだ。」 ついでって・・・ グゥゥゥ~ そんなことを考えていると、不意に俺の腹が空腹を告げる。 男「腹が減っているのか。何か持ってきてやる。待っていろ。」 俺「あ、いえ!お構いなく・・・」 ---501基地内ラウンジ--- ペラッ エイラ(塔の逆位置・・・か・・・) 俺が居なくなってから6日が経った。 捜索は相変わらず続けられているけど、いまだにアイツ見つかる気配は無かった。 サーニャ「・・・・・」 あれからのサーニャは必要な時以外は部屋から出なくなって、私ともあまり言葉を交わしてくれない・・・ 今も部屋でずっと、俺から貰ったって言うヌイグルミを抱いて閉じこもったままだ・・・ エイラ「そろそろお昼ダナ・・・ご飯食べに行こう、サーニャ?」 サーニャ「いらない・・・」 エイラ「食べなきゃ元気でないんだゾ!・・・じゃ、じゃあワタシ、お昼もらって来るから一緒に食べよう!ナ!」 サーニャ「・・・・・」 エイラ「じゃあ、もらってくるナ!」 ガチャ バタン エイラ「・・・・・」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― エイラ「お前さえ来なけりゃ、こんな事にはならなかったんじゃないのカ!?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 私があんなことを言ったから、俺は戻ってこないのだろうか・・・ 別にアイツが嫌いだからこんなことを言ったわけじゃない。むしろ、あいつは仲間だし、家族だから・・・ でも理由なんか当に分かりきっている。私は怖かったんだ。 もちろん自分が死ぬことは怖い。でもサーニャを失ってしまうことのほうがその何倍、何千倍も怖かった。 サーニャは私の戦う理由で、大切な人だから・・・ アイツの所為じゃないってのは分かってる。憎む相手は、本当ならネウロイの研究なんかしてたヤツラだ。でも、もうその憎むべき相手はこの世にはいない・・・ だからワタシは、そのやり場のない思いの矛先を、俺へと向けてしまった・・・ エイラ「・・・・・」グッ… 翌日 ~行方不明から7日目~ ---男の家--- 俺「・・・・・」 手を握ったり開いたりを繰り返す。何度やってもちゃんと感覚が伝わる。 ストライカーを消失し、結局行く当てもない俺は一晩男さんの家に泊めてもらった。 海に落ちて、死ぬことを覚悟したはずの俺は今もこうして生きている・・・でも、どうしたらいいのか分からなかった。 いや・・・本当なら死んでしまいたかった。そうすればもう苦しい思いをしなくて済むから・・・ 男「少年。」 俺「あ、はい。なんスか?」 男「お前は、ウィッチだと言ったな。」 俺「は、はいっス・・・それが、なにか・・・?」 男「こっちへ来い。」 俺「?」 ---ガレージ--- 俺はいろいろなガラクタが積まれた広いガレージへと連れてこられた。 男さんはガレージの中心にある、布のかかった物がある場所へと俺を誘う。 男「これを見ろ。」バサッ 俺「! これって・・・」 男さんが布を取り払うと、現れたのは修理途中の俺のストライカーだった。 男「これはお前のものか?」 俺「はいっス・・・でも、どうして・・・」 男「お前と一緒に海で拾った。」 俺「でも、拾う意味は・・・」 男「前も、扶桑製のストライカーと扶桑の剣を拾った。その時もこうして修理して本国に送り返した。無論、剣は直せなかったが。」 俺「修理・・・男さんは技術者なんスか?」 男「もとは去る国の技研でストライカーのエンジニアをしていた。今は辞めて、ジャンク屋兼修理屋をしている。これを修理をしているのは、あくまで私の趣味だがな。」 俺「そうだったんスか・・・」 男「しかし、またこうしてこれに出会うことになろうとはな・・・」ボソ… 俺「・・・?」 男「すまん。独り言だ。聞き流してほしい。」 俺「はぁ・・・」 男「それと、お前の武器とおぼしき物も回収しておいた。後で見せてやる。」 俺「・・・・・」 男「なんだ、嬉しくないのか。」 俺「あ、いえ・・・感謝してます。ありがとう、ございます・・・」 男「・・・そろそろ飯時だな。戻るぞ。」 俺「は、はい・・・」 ---501基地内ラウンジ--- ゲルト「もう一週間か・・・一体どこへ行ったんだ・・・俺・・・」 ルッキーニ「ねぇ、シャーリー・・・俺、まだ戻ってこないの・・・?」 シャーリー「大丈夫だ、ルッキーニ。もうじき帰ってくるさ。」 ルッキーニ「本当・・・?」 シャーリー「ああ。本当だ。」ニッコリ エーリカ「ねぇ、エイラ、サーにゃん、どうしてるの?」 エイラ「・・・部屋に・・・居るヨ・・・ずっと、出ようとしないんダ・・・」 芳佳「サーニャちゃん、何かあったんですか・・・?」 全員「!!」 みんなが声のするほうへと振り向く。そこには自室で療養していたはずのミヤフジがいた。 ゲルト「宮藤!」 ルッキーニ「芳佳!!」 シャーリー「ケガはもういいのか?」 芳佳「はい、私はもう大丈夫です。それより、さっきの話・・・」 リーネ「あのね・・・」 リーネが宮藤に小声で事情を話す。 芳佳「俺さん・・・居なくなっちゃったんですか・・・どうして・・・」 ゲルト「わからない・・・何も情報が入ってこないんだ・・・」 シャーリー「捜そうにも、私たちはネウロイの襲撃に備えなくちゃいけないからな・・・」 芳佳「・・・エイラさん。」 エイラ「・・・・・ナンダ・・・」 芳佳「サーニャちゃんの側に居なくていいんですか?」 エイラ「・・・・・」 芳佳「サーニャちゃん、きっと寂しい思いをしてると思います。誰かが側に居てあげないと・・・」 エイラ「わかってル!そんなのわかってるんダ!でも・・・」 エイラ「側にいても、どう声をかけたらいいか・・・わからないんダヨ・・・」 芳佳「・・・なら、私が行きます。」 エイラ「え・・・?」 芳佳「待っててください。きっとサーニャちゃんを部屋から出してみせます。」 テクテク そう言い残して、ミヤフジはラウンジを出て行った。 ---エイラ&サーニャの部屋--- コンコン サーニャ「・・・?」 芳佳「サーニャちゃん、居る?」 芳佳ちゃん・・・? 芳佳「ごめん、勝手に開けるね。」 ガチャ 芳佳「よかった、返事がないから心配しちゃった。」 サーニャ「どうして・・・」 芳佳「サーニャちゃん、元気がないって聞いたから、居てもたってもいられなくなって来ちゃった。」エヘヘ サーニャ「怪我は・・・?もういいの・・・?」 芳佳「うん!この通りもう・・・」ズキッ 芳佳「っ・・・!あはは・・・やっぱりまだちょっと痛いかも・・・」 サーニャ「芳佳ちゃん・・・」 芳佳ちゃんは無理をしてまで、私のために来てくれた・・・そんな芳佳ちゃんに、一人にしてほしいなんて、言えるわけがなかった・・・ サーニャ「無理しちゃダメ・・・ここ、座って・・・」 芳佳「う、うん。ごめんね、逆に心配させちゃって・・・」 芳佳ちゃんをベッドに座らせ、私もその隣に座る。 サーニャ「・・・・・」 芳佳「そのお人形、どうしたの?いつもは、えっと・・・そう、ネコペンギンじゃなかったけ?」 サーニャ「・・・ジャックフロスト・・・俺さんに、貰ったの・・・」ギュッ… 芳佳「そうなんだ・・・」 芳佳(俺さんいつの間にこんなのプレゼントしてたんだ・・・それにサーニャちゃん、すごく大切そうに抱きしめてる・・・) サーニャ「どうして・・・・・」 芳佳「・・・?」 サーニャ「どうして俺さん、戻ってこないのかな・・・」 芳佳「サーニャちゃん・・・」 サーニャ「俺さんのせいなんかじゃないのに・・・俺さん、全部自分のせいだって・・・一人で全部抱え込んで・・・」 サーニャ「一番辛いの、俺さんのはずなのに・・・もし死んじゃたりしてたら・・・私・・・」 言葉を続けるうちに目蓋が熱くなって、胸が苦しくなる・・・ 芳佳「サーニャちゃん。」 不意に芳佳ちゃんが私の名前を呼ぶ。私はそこで言葉を止めた。 芳佳「私の目を見て。」 ゆっくりと顔をあげて芳佳ちゃんの顔を見る。でも、もう私の目は涙でいっぱいで芳佳ちゃんの顔も滲んで見えた。 そんな私に、芳佳ちゃんは私の両頬に手を優しく添えてこう言った。 芳佳「大丈夫だよ。」 サーニャ「え・・・?」 その時点では、私はその言葉の意味を捉えることができなかった。芳佳ちゃんは続ける。 芳佳「サーニャちゃんはきっと、俺さんのこと大事に思ってるんだよね。」 サーニャ「・・・・・」コクリ 芳佳「サーニャちゃんは、俺さんに会いたいんだよね。」 サーニャ「うん・・・」 芳佳「だから、大丈夫。俺さんは絶対に戻ってくるよ。」 サーニャ「どうして・・・そう思うの・・・?」 少し震えた声で、私は聞き返す。 芳佳「俺さんもサーニャちゃんのこと、大切に思ってるからだよ。」 サーニャ「俺さんが・・・?」 芳佳「うん。そのお人形をサーニャちゃんにプレゼントしたのだって、大切に思ってる証拠だよ。きっと、俺さんもサーニャちゃんに会いたいって思ってる。」 芳佳(それに、私は知ってるから・・・俺さんがサーニャちゃんのことが好きで、大切に思ってるってこと・・・) 芳佳「だから、絶対に諦めちゃダメ。絶対に帰ってくるって信じよう。ね?」 そう言う芳佳ちゃんの目は、本当に真っ直ぐで、とても嘘を言うような目には見えなかった。 思い返せば、前も芳佳ちゃんには同じようなことを言われた。 どっちも諦めないでいれば、きっといつかは会える。 お父様とお母様のことを芳佳ちゃんに話した時、彼女は私にそう言ってくれた。その言葉は今も私の中に残っていて、私を支えてくれている。 根拠なんか無い。でも、芳佳ちゃんの言葉は本当に力強くて、私はもう一度勇気をもらった気がした。だから私は・・・ サーニャ「・・・うん・・・ありがとう、芳佳ちゃん。」ニコ と返事を返した。 芳佳「あ、やっと笑ってくれたね。」ニコ サーニャ「え?」 芳佳「サーニャちゃん、ずっと悲しそうな顔してたから。やっぱり、サーニャちゃんは笑顔な時が一番素敵だよ。」 サーニャ「・・・///」 芳佳「ふふ。じゃあ、みんなの所行こっか。みんな、ずっとサーニャちゃんのこと心配してたんだ。」ニコ サーニャ「うん。」ニコッ ~行方不明から8日目~ ---孤児院--- 死にたいと思いながら碌に死ぬ勇気も出ず、結局俺は、もう一日男さんの家に泊めてもらった。 今日は男さんに連れられて、俺はとある孤児院へやってきていた。 前に交流した所とは別の孤児院だ。 男さんはよく、あまった機械の部品でおもちゃを作って、ここの孤児院の子供達にプレゼントしているそうだ。 今回もそのために車でここまでやってきた。 段階的に発令されつつある外出禁止令も、この地域はまだ発令されていなかったようで、特に障害も無く外に出ることが出来た。 短髪の男の子「あ!メデューサ!!」 リボンをつけた女の子「メデューサ!メデューサ!!」 男「フッ・・・」 男さんは満更でもない笑みを浮かべる。 俺「・・・・・」 鼻水を垂らした男の子「おもちゃは~?」 男「案ずるな、若き未来の星たちよ。少年、配るのを手伝ってくれ。」 俺「あ、はいっス。」 ポニテの女の子「ねぇ、お兄ちゃん誰?」 俺「え?お、俺?俺は・・・」 男「そいつはウィッチだ。男のな。」 短髪の男の子「え?男なのにウィッチなの!?すげー!」 リボンをつけた女の子「お空を飛ぶの?それとも陸で戦うの?」 俺「あ、いや・・・空を、飛ぶよ・・・」 スゲー! カッチョイイ ワイワイ 鼻水を垂らした男の子「ねぇ、お兄ちゃん。ネウロイ、いついなくなるの?」 俺「え?」 メガネをかけた男の子「ネウロイがいるから、ぼくたち、お外であそべなくなっちゃうんだって・・・」 リボンをつけた女の子「もうすぐがいしゅつきんしれいって言うのがでるからって、せんせいが言ってたの・・・」 ポニテの女の子「おねがい、早くやっつけて!」 オニイチャン オネガイ ネウロイヤッツケテ! ワーワー そう言って俺にすがりついてくる子供達。 そんな姿を見て、俺は目の前の現実から目を背けたくなった。 この子達は、世界が滅びようとしていることを知らない・・・それも、俺のせいで・・・ それが堪らなく辛くて、何も出来ない自分が情けなくて、悔しかった。 ヒシッ… 俺は子供達を抱き寄せて、 俺「ごめん・・・本当に・・・ごめん・・・」ポロポロ ただ、そう言う事しかできなかった・・・ 男「・・・・・」 リボンをつけた女の子「お兄ちゃん・・・なんで泣いてるの・・・?」 ポニテの女の子「泣かないで・・・」 俺「あ・・・ご、ごめん・・ビックリさせちゃったよな・・・」コシコシ メガネの男の子「ネウロイ・・・やっつけてくれる・・・?」 俺「あ、あぁ・・・そうだね・・・」 短髪の男の子「ホントに!?約束だよ!」 俺「うん・・・」ニコ… 俺は、生返事を返す事しかできなかった・・・ 夜 ---バルト海上空--- ブロロロロロロロロ… エイラ「どうした?サーニャ?」 サーニャ「ごめん。少し、やりたい事があるの。」 そう言って私は上昇し、高度を稼ぐ。 あの後、ミーナ中佐から下された任務を実行するために。 ヴン… 魔導波を伝播させ、俺さんに語りかける。 私に新たに下された任務は、魔導針を使っての俺さんとの交信だった。 サーニャ(俺さん・・・どこ・・・?) 諦めずに何度も呼びかける。きっと生きている。そう信じて。 でも、答えは返ってこない・・・ 日増しに強くなる、俺さんに会いたいという気持ち。 この気持ちを恋だと知ったのは、リーネさん達とお話ししたあの時から・・・ 一緒に故郷のお話しをして、ご飯を食べて、哨戒もして、お出かけして、遊んで、それで・・・ 私が彼からもらったものは、何もかも新しい事ばかりで、一緒に過ごす毎日が本当に楽しくて・・・幸せで・・・ そしていつしか私は、自然に、俺さんを好きになった・・・ サーニャ「♪~♪♪~」 俺さんが子守唄だと言っていた歌を乗せて伝える。 きっと、届くと信じて・・・ 会いたいです・・・俺さん・・・ エイラ「・・・・・」 翌日 ~行方不明から10日目~ ---501基地内食堂--- 昼 エーリカ「おいひ~!これサーニャが作ったんだよね?」モグモグ サーニャ「はい・・・ピロージナエ・カルトーシカって言って、昔、お母様に作ってもらったことがあるんです。」 エーリカ「へ~。リーネや俺のお菓子も美味いけど、サーニャも上手だよな~」モグモグ シャーリー「ああ、こりゃなかなかうまいな。な、ルッキーニ。」 ルッキーニ「うん!」 サーニャ「あ、ありがとうございます・・・お口にあったみたいで、よかったです・・・///」 エイラ「・・・・・」 ミヤフジのおかげで、サーニャは元気を取り戻し、今ではこの通りだ。そのおかげで基地の雰囲気もだいぶ良い方へと変わってきている。 そう、ミヤフジのおかげで・・・ それは、ワタシにとって嬉しいことでもあり、逆に、自分がサーニャに何もしてあげられなかったことが悔しくもあった・・・ ペラッ エイラ(また塔の逆位置・・・) ペリーヌ「そんな暗い顔で、何をしていらっしゃるの?」 エイラ「うわっ!って、なんだ、お前カ・・・」 ペリーヌ「なんだとは失礼な・・・まぁいいですわ。それより、サーニャさんが元気になったっていうのに、嬉しくありませんの?」 エイラ「嬉しいヨ・・・嬉しいに、決まってル・・・」 ペリーヌ「顔にはそうは書いていないみたいですけど。」 エイラ「えっ・・・」 ペリーヌ「彼のことが、気になっているんでしょう?」 エイラ「・・・・・」 ペリーヌ(言い返さないということは図星かしらね・・・) エイラ「・・・アイツは・・・・・」 ペリーヌ「・・・?」 エイラ「アイツは、ワタシのせいで戻ってこないのかナ・・・?」 ペリーヌ「さぁ、どうかしらね。少なくとも、彼のあの時の表情からみれば少しは応えていたかも知れませんわね。」 エイラ「そう、だよナ・・・」 ペリーヌ「でも・・・」 エイラ「?」 ペリーヌ「あの時の貴女を責められる人なんか、誰もいませんでしたわ。」 エイラ「・・・・・」 ペリーヌ「突然、絶対に死ぬだなんて言われて平気な人なんか誰もいませんわ。私だって、怖いですもの。なによりも、大切な祖国や、仲間を失うことが・・・」 ペリーヌ「あなたも、自分の大切なものを失うのが怖くて、俺さんにあんなことを言ったんでしょう?」 エイラ「! ・・・・・」 見事に言い当てられた・・・ペリーヌとも長い付き合いだけれど、本当に人をよく見ているというか・・・とにかくコイツもすごい奴だ・・・ツンツンしているところを除いて。 ペリーヌ「ほかの皆も、今はああやって振る舞ってはいますけど、思いは貴女と同じはずですわ。」 エイラ「・・・そうだよナ・・・その、ありがとナ。少し、気が楽になったヨ。」 ペリーヌ「そう。それはよかったですわ。では、私はこれで失礼しますわ。」テクテク そう言ってペリーヌは食堂から去って行った。 エイラ「・・・・・」 でも、私の心にはまだ俺に対する別の感情が引っかかっていた・・・それは・・・ サーニャ「エイラ・・・?」 エイラ「へ?あ、サーニャ・・・」 サーニャ「お部屋、戻ろう?また少し眠くなっちゃったわ・・・」コシコシ エイラ「あ、ああ・・・そうダナ・・・」 夜 ---男の家--- 男「少年。」 俺「はい・・・なんっスか・・・?」 男「昨日、なぜ子供たちに謝った?」 俺「・・・・・」 男「言えないことなのか?」 俺「そう言うわけじゃ・・・」 男「なら話せ。」 言おうか言うまいか少しためらう。でも正直な気持ち、吐き出さなければ自分がどうにかなってしまいそうだった。 俺「・・・分からないんです・・・生きていていいのか、それとも死んだほうがいいのか・・・」 男「何?」 俺「こんな話、信じてもらえるかはわからないっスけど、今、世界は、俺のせいで滅びようとしてるんス・・・」 男「ふむ・・・」 俺「・・・疑わないんですか?」 男「まだ最後まで話を聞いていないからな。疑うかどうかはそのあとに判断する。それで?」 俺「・・・それなのに・・・あの子たちはその事を知らなくて・・・自分が蒔いた種なんだからなんとかしなきゃいけないはずなのに、俺、その滅びを止める方法も知らないから・・・」 男「だから謝ったのか。」 俺「はい・・・」 男「ならば、死ぬという選択肢は今ここで捨てろ。」 俺「え・・・」 男「その滅ぶという話が本当だとしても、それはお前が命を絶つことで解決するのか?」 俺「・・・・・」 男「それに、自ら命を絶つということは、お前が踏みにじってきた者たちの命を全てを冒涜することになる。」 俺「俺が踏みにじってきた・・・命・・・?」 男「お前はそんなことも知らずに今まで生きてきたのか。それは随分と幸せな生を歩んできたようだな。このホモサピエンスの面汚しめ。」 俺「・・・・・」 男「いいか、人間という生き物は、終わらない犠牲の輪廻の上で生の充足を得るのだ。」 俺「・・・?」 男「人間は己が命を明日へ繋ぐために何かを殺し、飯を喰らう。また、人間は行動を起こすために大地を踏み締め、その下に住まう小さな虫達を殺す。またある時は他人の関係に良くも悪くも干渉し、言葉で隣人を殺す。」 男「少年。人間は生きることで確実に別の何かを殺しているのだ。お前が生まれてこの方一度も、何かを殺さなかったということは決してない。無論、この私もな。」 俺「!!」 途方もなく・・・どうしようもない現実を目の前に突き付けられた・・・そんなこと、今の今まで考えたこともなかった。 滅び云々以前に、俺はすでに人を殺していたかもしれない・・・ 親父と約束した、人は絶対に殺さないという約束も、俺の心ない一言で死んだ人がいて、もうとっくに破っていたのかもしれない・・・ 男「だから少年よ。人間はそうして死んでいった命たちに報いるためにも生き続けなければならない。生きて苦を味わうことこそが人の生だ。私はそう考えている。」 俺「・・・・・」 男「・・・それでも尚、死を考えるというならば、今日お前が寝床につく前に、お前の国の言葉でいい。『ありがとう』と千回唱え続けろ。それで何も見えてこなければ、私からお前に言うことは何もない。勝手にするがいい。」 ---男の家 2階--- ラジオの声≪・・・依然、小型ネウロイはザザッ・・・おり絶望病の患者ザザッ・・・ます。≫ 俺「・・・・・」 男さんから借りているラジオを聴くことがここに来てからの俺の日課になっていた。アンテナの部分は壊れていて、替えも無いので俺の魔導針で代用している。 俺「ありがとう・・・ありがとう・・・」 男さんに言われたことを試してみる。俺はただひたすらにありがとうと唱え続けた。 俺「ありがとう・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」 5分・・・10分・・・いや、もう何分経ったかもわからない。それでも俺はひたすらに唱え続けた。そんな時だった。 俺「ありがとう、ありがとう、ありがとう」ツー… 突然、俺の頬に涙が伝いだした。 俺「ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・」ポロポロ それはやがて、留める事のできない感情の奔流となって溢れ出す。 ありがとうと唱え続けるうちに、俺の心は自然と温かな気持ちになっていった。 俺「ありがとう・・・グスッ・・・あり・・・がとう・・・」ポロポロ いつしかありがとうと一言唱える度に、今まで俺が関わってきたすべての人の顔が思い浮かぶ。 親父にお袋、じいちゃんにばあちゃん。ガキの頃一緒に遊んだ友達。近所のおじちゃんやおばちゃん。下ネタを吐きあった整備兵のみんな。寂しいときの話し相手になってくれた管制の人。基地の女医さん・・・ そしてなにより、ミーナ隊長、坂本少佐、宮藤さん、リーネさん、ペリーヌさん、バルクホルン大尉、ハルトマン中尉、シャーリーさん、ルッキーニさん、エイラさん、そして・・・ 俺「サーニャさん・・・」ポロポロ ようやく気付いた。俺は、こんなにもたくさんのありがとうに囲まれてきたんだと・・・ そして悟った。今命を絶てば、自分が大切にしてきた、ありがとうをくれた人たちを守ることができなくなるのだと。このままでは、自分が大切な人達を滅ぼしてしまうのだと。 俺「それだけは・・・絶対に嫌だ・・・」グスッ 俺は守りたい。俺の大切な人達を、たくさんの『ありがとう』をくれた人たちを。 ラジオの声≪ザザッ…♪~♪ザザッ…♪・・・≫ 俺「! これって・・・」 ラジオの声≪ザザー・・・≫ ほんの一瞬だけ聞き覚えのある歌声が聞こえた。しかしそれはすぐに聞こえなくなってしまった。 でも確信した。今の声の主は、俺の大切な人だと・・・ 俺「ははっ・・・だっせーな、俺・・・うっし!」ゴシゴシ 俺は、生き続ける。俺の大切なものを守るために。 続き→ペルソナ17.5 -ページ先頭へ
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未投下 前へ 目次へ戻る 次へ Episode19 『決意の先に』 俺「俺は・・・いや、俺たちは・・・」 決意の一声。迷わず、言い放つ。 俺「・・・逃げない。俺たちは、立ち向かう。」 僕「・・・僕の言ったこと、うまく伝わらなかったのかな・・・いいかい、もう一度言う、僕は・・・」 俺「もういい。」 僕「えっ・・・?」 俺「もう、決めたんだ。みんなで立ち向かおうって。」 僕「・・・・・」 僕が501の仲間たちの顔を見渡す。誰もが迷いのない瞳を僕へと向けていた。 僕「・・・どうしても・・・なのかい?」 俺「ああ。この選択は、絶対に曲げない。」 その言葉と眼差しに僕は押し黙ってしまう。 それからしばらくして、ふぅ、と僕は一度溜息を吐き、閉じていた口を開いた。 僕「・・・わかった。残念だけど、命は君たち自身のものだ。その使い方もね。」 僕「君たちの選択に従おう。」 その言葉に皆の緊張が解け、一様に安堵の表情を浮かべる。 ミーナ「それじゃあ教えてちょうだい。その、『母なるもの』に会うにはどうすればいいの?」 僕「分かりました。もうすぐ0時になる・・・時間がないから、手短に話します。」 僕「『母なるもの』に会うには、約束の日に、北海海上に現れたあの塔の頂上に行けばいい。」 芳佳「約束の日・・・?」 僕「そう。明日から数えてちょうど一ヵ月。1月31日の満月の夜・・・その塔を目印にして『母なるもの』が降り立つ。」 僕「そしてそれを期に、世界中のネウロイが一斉に君たちに攻撃を開始する。それが、世界の終わる日だ。」 リーネ「一ヵ月・・・」 坂本「つまり、その日の夜に塔の頂上へ行けばいいのだな。」 僕「そうです・・・でも、いいかいみんな。明日からは君たちにとって途方もない絶望との戦いが始まる。」 僕「前にも言った通り、『母なるもの』を倒すことは不可能だ。直に向かい合ったとき、それが何故かわかるだろう。」 ミーナ「それは覚悟の上よ。そう何度も言わなくていいわ。」 エイラ「1ヵ月後の1月31日・・・ダロ?もう覚えたヨ。」 僕「うん。・・・それと、もう一つ悲しいことを言わなくちゃいけない。」 ルッキーニ「なに・・・?」 僕「仮に・・・もし仮にだ。君たちが『母なるもの』に打ち勝つことができたとしても・・・」 俺「この一年間の記憶は消える・・・ってか?」 全員「!?」 僕「・・・ああ。母なるものが消えればネウロイは消える。同時にそれは、宣告者である僕も消えると言う事。宣告者が消えれば、アルカナを持つネウロイたちに関しての記憶は全て消える。だから、もしかしたら、この一年間の君たちの思い出も一緒に・・・」 ゲルト「確証はない・・・ということはそのまま残ることもあり得るということだな?」 僕「少しはあるはずです。ただ、それでも消えてしまう可能性の方がずっと高い・・・」 俺「それでも、俺たちは立ち向かうよ。それに、消えるか消えないかなんて、その時になんなきゃわかんないし。」 サーニャ「俺・・・」 僕「そうか・・・うん、わかったよ。僕からは以上だ。それじゃあ、僕は先に行くよ。」 僕「あぁ、そうだ。宮藤さん。」 芳佳「は、はい・・・」 僕「君に怪我をさせてしまったこと、ずっと謝ろうと思っていたんだ。本当にごめん・・・謝って済むことじゃないけれど・・・」 芳佳「いえ、大丈夫です。私、気にしてなんかいないですから。」 芳佳「坂本さんも言ってました。昨日の敵は今日の友だって。」 坂本「宮藤・・・」 芳佳「だから、僕さんも私にとって大切なお友達の一人です。そのお友達を、責めるようなことはしません。」 僕「友達・・・」 シャーリー「そうだぞ。お前も、私たちの大切な友達だ。」 ルッキーニ「友達だよ!」 僕「うん・・・みんな、ありがとう・・・みんなの事は、ずっと・・・見守っているよ・・・」 そういって僕は歩きだし、俺の前で一度立ち止まる。 僕「俺くん。これが最後の試練に関してのアドバイスだ。『12の旅路の果てに最後の者は現れる。』」 サーニャ「12の旅路・・・?」 俺「・・・わかった。覚えておくよ。」 僕「ありがとう俺くん・・・僕の大切な友達・・・」 俺「ああ。また、会おうな。」ニッ 僕「俺くん・・・うん・・・また、会えるといいな・・・」 そして僕はドアへと歩き出す。そこで再び立ち止まり振り返ってこういった。 僕「良いお年を。・・・って言うんだよね、年の終わりは。」 サーニャ「良いお年を。」 サーニャに続いて皆も言う。 僕「ありがとう。じゃあね。」ニコ ガチャ バタン ペリーヌ「行ってしまいましたわね・・・」 ゲルト「1月31日か・・・」 ミーナ「行きましょう、みんなで!」 その言葉に、皆も力強く頷いた。 まもなく、新年を迎えようとしていた。 そして、数えきれないほどの思い出の詰まった1946年が静かに明けてゆく・・・ 迎えた1947年1月1日。 深夜 ---俺の部屋--- ガチャ パタン… ?「・・・・・」ウトウト 俺「くぅ・・・くぅ・・・」Zzz… ?「・・・・・」ヌギヌギ ペタ…ペタ…ガバッ スルリ モゾモゾ ?「すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 俺「ん・・・くぅ・・・くぅ・・・」Zzz… ~数時間後~ 早朝 モゾモゾ 俺「ん・・・うん・・・?」ピコッピコッ 年明けの明朝。布団の中に妙な違和感を感じ、目を覚ます。 モゾモゾ 俺「モゾモゾ?」 近くに置いてあるメガネをかけ、布団をめくり上げる。 ガバッ 俺「!?」 サーニャ「すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 見れば布団の中では、サーニャが可愛らしい寝息を立てながら、丸くなって眠っていた。 しかし衣服は床に脱ぎ捨てられ、下着とズボン一枚だけのあられもない姿であった。 俺(な・・・なんで!?俺、一人で寝たはずだよな!?それがなんで・・・お、落ち着け俺・・・こういう時は確か素数を数えればいいんだよな・・・で・・・素数ってなんだ?) サーニャ「う・・・んぅ・・・ふわぁ・・・」 俺があれこれと考えていると、サーニャが目を覚ました。 俺「お、おはよう・・・ございます・・・」 サーニャ「ん・・・」コクリ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 サーニャ「・・・すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 俺(いやいやいや、可愛いけどそれはないっスよ・・・) 俺「あの・・・さ、サーニャさん?」ユサユサ サーニャ「ぅ・・・ん・・・なに・・・?」 俺「なんで俺の部屋にいるんスか?俺、一人で寝てたはずなんスけど・・・」 サーニャ「わからない・・・」ウトウト 俺「わからないって・・・」 サーニャ「・・・俺・・・・・」 俺「は、はい・・・?」 サーニャ「さむい・・・」 俺「・・・ごめんなさい・・・・・」 そう言って俺は布団をかけなおす。 俺(まぁいっか・・・それより、まだ結構早いよな・・・もう少し、寝てもいいか・・・ソファで寝るかな・・・) 横たわった状態のまま、ゆっくりベッドから抜け出そうとしたその時。 ムギュ 俺「!?」 ガバッ 再び布団を返すと、背中越しにサーニャの手が俺の腰に回され、美脚が俺の脚に絡められていた。 俺「な、何してはるんですか!?」 サーニャ「・・・こうすれば・・・あったかい・・・」スリスリ 俺の背に顔を埋め、猫のように頬をこすりつけるサーニャ。 俺「あったかいって・・・」 サーニャ「俺、こっち向いて・・・」 俺「・・・・・」 渋々体をサーニャの方へ向けなおす。 ギュゥ サーニャの腕が俺の腰へと回る。 サーニャ「あったかい・・・♥」スリスリ 俺「そっスか・・・」 サーニャ「う、ん・・・すぅ・・・すぅ・・・」 サーニャはそのまま、俺の胸の中で再び眠りに落ちた。 俺(寝ちゃったか・・・) 眠るサーニャを、俺はそっと抱きしめる。 俺(それにしても・・・) 俺は腕の中のサーニャを一瞥する。 陶磁器のように白い柔肌に、整った顔立ち。そしてしなやかで、少し力を入れれば折れてしまいそうなほど細い体。 そんな目の前の儚げな少女がたまらなく愛おしくて仕方がなかった。 サーニャ「ぅ・・・ん・・・」 見つめているうちに思わず邪なことを考えていることに気づき、その思考をなけなしの紳士心で何とか押しとどめた。 サーニャ「すぅ・・・すぅ・・・」 俺(こんなにか細い子がネウロイなんて危ない相手と闘ってるんだよな・・・) 俺(そう考えると、ちょっと、な・・・いや、だからこそ俺が守らなきゃだよな。) 俺は片手を彼女の後頭部へ回し、髪を撫でる。 俺(・・・って・・・よく考えたらエイラさんに黙ったまんまだよな俺・・・エイラさんはきっと、サーニャの事大好きなんだよな・・・今だって・・・) 俺(でも、この子は俺の事好きって言ってくれた・・・別れようなんて言ったら今度はこの子が傷つくのかな・・・) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 男「またある時は他人の関係に良くも悪くも干渉し、言葉で隣人を殺す。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺(あれってこういう事なのかな・・・このままでいいのかな・・・俺・・・いや、よくないよな・・・でも、どうしたら・・・) 思案をするうちに次第に眠気が勝り、彼女を抱いたまま、俺はまどろみに落ちた。 ~数時間後~ 俺「ん・・・」パチクリ サーニャ「・・・///」カアァァ 再び目を覚ました俺の目の前には、頬と耳を紅葉させたサーニャの顔があった。 サーニャ「お、俺・・・///」 俺「は、はい・・・?」 サーニャ「離して・・・///」 俺「あ、あぁ・・・すみません・・・」パッ 俺の腕から解放されたサーニャは体を起こし、恥ずかしそうに俺に背を向ける。 俺「そっか・・・俺、抱いちゃったまま・・・恥ずかしかったっスよね・・・ごめんなさい・・・」 その言葉にサーニャは俺に背を向けたまま首を振る。 サーニャ「ううん・・・違うわ・・・俺にぎゅってしてもらったのは、とっても嬉しい・・・ただ・・・///」 俺「?」 サーニャ「おなかに・・・かたいの・・・当たってたから・・・///」 俺「!?」 下半身へとゆっくり視線を落とす。 俺「・・・///」 サーニャ「え・・・えっちなのは・・・ダメ・・・///」 俺「ごめんなさい・・・///」 サーニャ「・・・で、でも・・・男の人はこういうの・・・我慢できないって聞いたことあるから・・・俺も、我慢・・・できなかったんだよね・・・///」 俺「えと、これは・・・その・・・」 サーニャ「ううん・・・いいの・・・これは、仕方ないこと・・・だ、だから・・・ホントは、ダメだけど・・・」 そう言うと、サーニャは俺に背を向けたまま上の下着の紐に指を掛け、それを取り払う。 ハラリ 俺「え!?いや・・・ちょ!?」 露わになった胸を彼女は右腕で覆い隠し、恥ずかしそうに俺に向き直り、こう言った。 サーニャ「俺がしたいなら・・・しても・・・いい・・・///」 俺「」 サーニャ「わ、私・・・シャーリーさんみたいに胸、大きくないし・・・ほ・・・ほかの人みたいに綺麗じゃないから・・・俺に・・・喜んでもらえるか・・・わからないけど・・・///」 顔を真っ赤にし、恥ずかしさからか、涙でいっぱいの潤んだ瞳で彼女は言う。 サーニャ「俺・・・///」 どこかなまめかしい表情で、ゆっくりとにじり寄るサーニャ。俺は後ずさりするが、すぐにベッドの端まで追い込まれた。 俺「ス、ストップ!あああ、あの、サーニャ!?」 左手を突き出し、静止を訴える俺。サーニャはその場で止まった。 サーニャ「・・・///」ウルウル 俺「い、嫌なら無理してそんなことしなくてもいいんスよ?今だって誰かに言われたからそんなこと言うんス・・・よね?」 サーニャはその言葉に首を横に振った。 サーニャ「誰にも言われてないわ・・・無理も・・・してない・・・私がしてあげたいって・・・思ったの・・・」 俺「え・・・」 サーニャ「男の人は、他の女の人に目移りしやすいから・・・ほっといたら別の人にとられちゃうって・・・」 俺「それは・・・誰から聞いたんスか・・・?」 サーニャ「本に・・・書いてあった・・・」 俺「どんな本読んだんスか・・・」 サーニャ「でも・・・えっちなことしろって・・・書いてあったわけじゃないの・・・これは、私が自分でしようって・・・決めたことだから・・・」 俺「どうして・・・」 サーニャ「・・・俺に・・・」 俺「?」 サーニャ「・・・俺に・・・ずっと好きでいてほしい・・・ずっと・・・一緒にいてほしいから・・・だから・・・」 俺「っ!」トクン 心臓が一度大きく鼓動を打つ。同時にみぞおちの奥がきゅうと締め付けられるような感覚が襲う。 ギュッ サーニャ「あっ・・・」 俺「・・・・・」ギュゥ 無言でただ、抱き締めた。 サーニャ「俺・・・?///」 俺「・・・ありがとうっス、サーニャ・・・俺、好きになったのが君でよかったっス・・・」 サーニャ「!・・・///」 俺「それと、その・・・エッチなことしなくたって・・・俺はずっと、君の事・・・だ、大好きっスよ・・・」 サーニャ「本当・・・?」 俺「はい、絶対に・・・だから、服、着てくださいっス・・・///」 サーニャ「うん・・・でも、これじゃ着れないわ・・・///」 俺「あ、そうっスよね・・・すみません・・・」 抱擁を解こうとする俺の腕をサーニャがしがみ付いて制止する。 サーニャ「ま、待って!・・・もう少し、このままが・・・いい・・・///」ギュゥ 俺「・・・///」 しばらく抱き合いながら、お互いに照れくさがりながら微笑みを交わす。 その内、俺の胸の奥からどうしようもなく抑えがたい感情が沸き起こり、俺がサーニャへと唇を寄せる。 サーニャもそれに応えるように瞳を閉じ、 そして二人は―― バタン! シャーリー「ハッピーニューイヤー!!お・・・れ・・・?」 俺「」 サーニャ「!?///」 シャーリー「あ・・・ああ、あ・・・」 ルッキーニ「? シャーリー、どしたの?」 シャーリー「わっ!み、見るな!ルッキーニ!!///」バッ ルッキーニ「え~!?なんで~?見えないよシャーリ~!」 シャーリー「あ・・・あははは・・・ご、ごゆっくり~・・・」 パタン ネェネェナニガアッタノ? イイカラツギイクゾツギ! ア!マッテヨ~ タッタッタ… 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・///」 俺「あ、あの・・・サーニャ・・・」 サーニャ「なに・・・?///」 俺「あけまして、おめでとうっス・・・」 サーニャ「う、うん・・・あけまして、おめでとう・・・///」 それから、誰もいなくなったことを確認し、 チュッ… 人知れず、二人はそっと口づけを交わした。 ――――― ――― ― しばらくして・・・ ---基地内ラウンジ--- 一通り新年の挨拶を済ませた皆はラウンジへと集まっていた。 芳佳「え!?着物、あるんですか!?」 坂本「あ、ああ・・・私の知り合いが勝手に送りつけてきてな・・・みんなにぜひ着てほしいと・・・(まぁ、醇子のことなんだけどな・・・)」 ミーナ「あら、綺麗な柄ね。この前のゆかた・・・だったかしら。あれとはどこか違うのかしら?」 坂本「浴衣は薄手で着るのも簡単なのだが、着物は誰かが着付けをしないと着るのがなかなか難しいんだ・・・宮藤、お前、着付けはできるか?」 宮藤「あ、はい。お母さんに教えてもらったことがありますから。」 坂本「よし、ならば私たちで着付けしよう。俺は・・・すまんな、お前のはまた無いみたいだ・・・」 俺「あ、いえ。俺はみんなの着物姿が見れればそれで十分っスから。」 坂本「そうか?なら、楽しみにしていろよ。」ニヤリ 長し目をしつつ、どこか怪しい笑みを浮かべる坂本。 俺「ゴクリ・・・」 数分後 シャーリー「う~ん・・・やっぱちょっときついなぁ・・・」 ルッキーニ「シャーリーはおっぱいおっきいもんね~」 宮藤「<●><●>」ジーッ リーネ「よ、芳佳ちゃん・・・」 エーリカ「スースーする・・・」 ミーナ「ふふっ、似合ってるわよ、トゥルーデ。クリスにも見せてあげたいわね。」 ゲルト「か、からかうなミーナ・・・///」 ミーナ「あら、からかってなんかないわ。本当に似合ってるもの。」 ゲルト「うぅ・・・ミ、ミーナの方こそ、よく似合ってると思うぞ!///」 ミーナ「え?そ、そうかしら・・・?ありがとう///」 ペリーヌ「しょ、少佐・・・とてもお似合いですわ・・・///」 坂本「ん?そ、そうか・・・?少し恥ずかしいのだがな・・・はっはっは・・・///」 ペリーヌ「少佐・・・///(恥じらわれる少佐も素敵ですわ・・・///)」 俺「・・・///」ポーッ… 各々、色とりどりの色を見せるウィッチたち。浴衣とはまた違う美しさに俺は思わず見惚れていた。 エイラ「な~に鼻の下伸ばしてんだダ、このむっつりスケベ。」 俺「むっつりって・・・ひどいっスよエイラさ・・・」 振り返った俺の目の前には、いつもと違うエイラ。 彼女は藍色の地に、桔梗と清流が刺繍された着物に身を包み、髪を後ろに束ね、頭には蓮華の花飾り。 エイラ「な、なんダヨ・・・急に黙って・・・」 俺「い・・・いえ・・・エイラさん・・・めっちゃ綺麗だなって・・・///」ポーッ… エイラ「な!?う、ウルセー!!///」ポカッ 俺「痛っ!し、しどいっス・・・叩くなんて・・・」 エイラ「わ、私よりも・・・その、サーニャのほうが綺麗だゾ・・・ほら・・・」 俺が視線をエイラの言われた方へと移す。 エーリカ「ねぇねぇ、サーニャもさ、『はいてない』の?」 サーニャ「えっ!? ・・・///」 少し離れた場所で、サーニャが団欒している。黒地に藤の花が刺繍された着物を纏い、髪は団子状に後ろにまとめられ、頭には白百合の花飾りをつけている。 時折首元からのぞかせるうなじが悩ましい。 俺「すっげぇ可愛いっス・・・///」 エイラ「ダロ?サーニャは何着ても似合うんダ。」フフン なぜか誇らしげなエイラ。ただ、その横顔はちょっぴり寂しそうに見えた。 俺「・・・・・」 俺(やっぱり俺、サーニャが好きだ・・・だから、ちゃんと言わなきゃ・・・) 俺「あの・・・エイラさん・・・」 エイラ「な、なんダ・・・?」 俺「エイラさんは、サーニャのこと・・・大切に思ってるんですよね。」 エイラ「あ、ああ・・・当たり前ダ・・・」 俺「その・・・俺・・・俺は・・・」 そこで俺は口を噤んでしまう。 エイラ「・・・・・」 俺(クソっ・・・なんで言えないんだ・・・いや、怖いからだよな・・・エイラさんを傷つけるのが・・・) 俺「・・・・・」 エイラ「・・・知ってるよ。」 俺「えっ?」 エイラが口を開く。 エイラ「知ってる。お前とサーニャが、そういう関係になったってこと。」 俺「! ・・・・・」 エイラ「サーニャが言ってたんだ。お前に好きって言ってもらったって。サーニャ、凄くうれしそうだった・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「それに、お前もいつの間にかサーニャの事名前だけで呼ぶようになってたし、それくらい、ワタシでもわかるヨ・・・」 俺「ごめんなさい・・・」 エイラ「あ、謝るなヨ!オマエ、サーニャの事好きなんダロ・・・?」 俺「そうっスけど・・・でも、エイラさんだってサーニャの事・・・」 エイラ「・・・ああ!好きだヨ!今だってずっと好きダ!でもさ、サーニャはお前を選んだんだヨ・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「悔しいけど、サーニャが好きなのはお前ダ・・・でも、ワタシ自身、まだ踏ん切りがついてない・・・諦められないんダ・・・」 エイラ「それに・・・サーニャの両親が見つかるまで、私はサーニャを守るって決めたんダ・・・それは今でも変わらないし、これだけは譲りたくない・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「それと、オマエの事もちゃんと見極めたい・・・ちゃんとサーニャを守ってくれるかどうか・・・ワタシの、勝手な考えだけどサ・・・」 エイラ「だから・・・」スッ 俺「・・・?」 エイラ「サーニャの両親が見つかるまでは・・・サーニャを・・・い、一緒に守ろうナ・・・」ポリポリ 手を差し伸べながら、そっぽを向き照れくさそうに頬を掻くエイラ。 俺「エイラさん・・・」 エイラ「そ、それと、サーニャだけ名前で呼ぶのはずるい・・・だから、ワタシもエイラって呼んでくれヨ・・・お前と私はその・・・家族、なんだからサ・・・」 俺(一応・・・許してもらえたのかな・・・) エイラ「ど、どうなんだヨ!」 俺「・・・もちろんっス。こちらこそ、よろしくっス、エイラ!」 パシッ 交わされる固い握手。二人の間には、確かな絆が生まれていた。 サーニャ「エイラ、俺。なにしてたの?」 遠くで話していたはずのサーニャがいつの間にか近くまで来ていた。 エイラ「さ、サーニャ・・・いや、なんでもないヨ。な、俺。」 俺「はいっス。なんでもないっスよ。」 サーニャ「本当?・・・ちょっと怪しい・・・」ジトー エイラ「ハハ・・・」 サーニャ「・・・あ、あのね、一つお願いがあるの・・・」 俺「? どうしたんスか突然?」 サーニャ「さっき、ミーナ中佐にお願いして時間を貰ったの。だから、基地の中だけだけど・・・このまま・・・デ、デートしたいなって・・・///」 俺「デート・・・っスか・・・?俺はいいっスけど・・・」 エイラ「・・・わ、ワタシ邪魔みたいだからあっち行ってるナ!」 サーニャ「待って、エイラ。どこ行くの?」 エイラ「どこって・・・だってサーニャ、俺と・・・デートするんだろ・・・?」 サーニャ「うん・・・でも、エイラも一緒よ?」 エイラ「えっ・・・」 サーニャ「前のお祭りの時みたいに、また3人でお出かけできたらなって思ったの・・・だから、エイラも一緒じゃなきゃ嫌よ?」 エイラ「いいのカ・・・?ワタシ、邪魔じゃないカ・・・?」 俺「邪魔なわけないっス。エイラが来ないのは、俺も嫌っス。」 サーニャ「だから、一緒に行こう?」 エイラ「サーニャ・・・俺・・・」 エイラ「・・・ったく・・・し、しょーがねーなぁ・・・今日ダケダカンナー」ニコッ サーニャ「うん。じゃあ、行こう?」ニコ サーニャがエイラと俺の手を引く。 それから三人は手を繋いだまま、ゆっくりと歩き始めた。 その後、デートを整備兵やその他男性配属員に目撃され、俺がボコボコにされたのは語るに及ばない。 続き→ペルソナ19.5 -ページ先頭へ
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Episode19 『決意の先に』 俺「俺は・・・いや、俺たちは・・・」 決意の一声。迷わず、言い放つ。 俺「・・・逃げない。俺たちは、立ち向かう。」 僕「・・・僕の言ったこと、うまく伝わらなかったのかな・・・いいかい、もう一度言う、僕は・・・」 俺「もういい。」 僕「えっ・・・?」 俺「もう、決めたんだ。みんなで立ち向かおうって。」 僕「・・・・・」 僕が501の仲間たちの顔を見渡す。誰もが迷いのない瞳を僕へと向けていた。 僕「・・・どうしても・・・なのかい?」 俺「ああ。この選択は、絶対に曲げない。」 その言葉と眼差しに僕は押し黙ってしまう。 それからしばらくして、ふぅ、と僕は一度溜息を吐き、閉じていた口を開いた。 僕「・・・わかった。残念だけど、命は君たち自身のものだ。その使い方もね。」 僕「君たちの選択に従おう。」 その言葉に皆の緊張が解け、一様に安堵の表情を浮かべる。 ミーナ「それじゃあ教えてちょうだい。その、『母なるもの』に会うにはどうすればいいの?」 僕「分かりました。もうすぐ0時になる・・・時間がないから、手短に話します。」 僕「『母なるもの』に会うには、約束の日に、北海海上に現れたあの塔の頂上に行けばいい。」 芳佳「約束の日・・・?」 僕「そう。明日から数えてちょうど一ヵ月。1月31日の満月の夜・・・その塔を目印にして『母なるもの』が降り立つ。」 僕「そしてそれを期に、世界中のネウロイが一斉に君たちに攻撃を開始する。それが、世界の終わる日だ。」 リーネ「一ヵ月・・・」 坂本「つまり、その日の夜に塔の頂上へ行けばいいのだな。」 僕「そうです・・・でも、いいかいみんな。明日からは君たちにとって途方もない絶望との戦いが始まる。」 僕「前にも言った通り、『母なるもの』を倒すことは不可能だ。直に向かい合ったとき、それが何故かわかるだろう。」 ミーナ「それは覚悟の上よ。そう何度も言わなくていいわ。」 エイラ「1ヵ月後の1月31日・・・ダロ?もう覚えたヨ。」 僕「うん。・・・それと、もう一つ悲しいことを言わなくちゃいけない。」 ルッキーニ「なに・・・?」 僕「仮に・・・もし仮にだ。君たちが『母なるもの』に打ち勝つことができたとしても・・・」 俺「この一年間の記憶は消える・・・ってか?」 全員「!?」 僕「・・・ああ。母なるものが消えればネウロイは消える。同時にそれは、宣告者である僕も消えると言う事。宣告者が消えれば、アルカナを持つネウロイたちに関しての記憶は全て消える。だから、もしかしたら、この一年間の君たちの思い出も一緒に・・・」 ゲルト「確証はない・・・ということはそのまま残ることもあり得るということだな?」 僕「少しはあるはずです。ただ、それでも消えてしまう可能性の方がずっと高い・・・」 俺「それでも、俺たちは立ち向かうよ。それに、消えるか消えないかなんて、その時になんなきゃわかんないし。」 サーニャ「俺・・・」 僕「そうか・・・うん、わかったよ。僕からは以上だ。それじゃあ、僕は先に行くよ。」 僕「あぁ、そうだ。宮藤さん。」 芳佳「は、はい・・・」 僕「君に怪我をさせてしまったこと、ずっと謝ろうと思っていたんだ。本当にごめん・・・謝って済むことじゃないけれど・・・」 芳佳「いえ、大丈夫です。私、気にしてなんかいないですから。」 芳佳「坂本さんも言ってました。昨日の敵は今日の友だって。」 坂本「宮藤・・・」 芳佳「だから、僕さんも私にとって大切なお友達の一人です。そのお友達を、責めるようなことはしません。」 僕「友達・・・」 シャーリー「そうだぞ。お前も、私たちの大切な友達だ。」 ルッキーニ「友達だよ!」 僕「うん・・・みんな、ありがとう・・・みんなの事は、ずっと・・・見守っているよ・・・」 そういって僕は歩きだし、俺の前で一度立ち止まる。 僕「俺くん。これが最後の試練に関してのアドバイスだ。『12の旅路の果てに最後の者は現れる。』」 サーニャ「12の旅路・・・?」 俺「・・・わかった。覚えておくよ。」 僕「ありがとう俺くん・・・僕の大切な友達・・・」 俺「ああ。また、会おうな。」ニッ 僕「俺くん・・・うん・・・また、会えるといいな・・・」 そして僕はドアへと歩き出す。そこで再び立ち止まり振り返ってこういった。 僕「良いお年を。・・・って言うんだよね、年の終わりは。」 サーニャ「良いお年を。」 サーニャに続いて皆も言う。 僕「ありがとう。じゃあね。」ニコ ガチャ バタン ペリーヌ「行ってしまいましたわね・・・」 ゲルト「1月31日か・・・」 ミーナ「行きましょう、みんなで!」 その言葉に、皆も力強く頷いた。 まもなく、新年を迎えようとしていた。 そして、数えきれないほどの思い出の詰まった1946年が静かに明けてゆく・・・ 迎えた1947年1月1日。 深夜 ---俺の部屋--- ガチャ パタン… ?「・・・・・」ウトウト 俺「くぅ・・・くぅ・・・」Zzz… ?「・・・・・」ヌギヌギ ペタ…ペタ…ガバッ スルリ モゾモゾ ?「すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 俺「ん・・・くぅ・・・くぅ・・・」Zzz… ~数時間後~ 早朝 モゾモゾ 俺「ん・・・うん・・・?」ピコッピコッ 年明けの明朝。布団の中に妙な違和感を感じ、目を覚ます。 モゾモゾ 俺「モゾモゾ?」 近くに置いてあるメガネをかけ、布団をめくり上げる。 ガバッ 俺「!?」 サーニャ「すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 見れば布団の中では、サーニャが可愛らしい寝息を立てながら、丸くなって眠っていた。 しかし衣服は床に脱ぎ捨てられ、下着とズボン一枚だけのあられもない姿であった。 俺(な・・・なんで!?俺、一人で寝たはずだよな!?それがなんで・・・お、落ち着け俺・・・こういう時は確か素数を数えればいいんだよな・・・で・・・素数ってなんだ?) サーニャ「う・・・んぅ・・・ふわぁ・・・」 俺があれこれと考えていると、サーニャが目を覚ました。 俺「お、おはよう・・・ございます・・・」 サーニャ「ん・・・」コクリ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 サーニャ「・・・すぅ・・・すぅ・・・」Zzz… 俺(いやいやいや、可愛いけどそれはないっスよ・・・) 俺「あの・・・さ、サーニャさん?」ユサユサ サーニャ「ぅ・・・ん・・・なに・・・?」 俺「なんで俺の部屋にいるんスか?俺、一人で寝てたはずなんスけど・・・」 サーニャ「わからない・・・」ウトウト 俺「わからないって・・・」 サーニャ「・・・俺・・・・・」 俺「は、はい・・・?」 サーニャ「さむい・・・」 俺「・・・ごめんなさい・・・・・」 そう言って俺は布団をかけなおす。 俺(まぁいっか・・・それより、まだ結構早いよな・・・もう少し、寝てもいいか・・・ソファで寝るかな・・・) 横たわった状態のまま、ゆっくりベッドから抜け出そうとしたその時。 ムギュ 俺「!?」 ガバッ 再び布団を返すと、背中越しにサーニャの手が俺の腰に回され、美脚が俺の脚に絡められていた。 俺「な、何してはるんですか!?」 サーニャ「・・・こうすれば・・・あったかい・・・」スリスリ 俺の背に顔を埋め、猫のように頬をこすりつけるサーニャ。 俺「あったかいって・・・」 サーニャ「俺、こっち向いて・・・」 俺「・・・・・」 渋々体をサーニャの方へ向けなおす。 ギュゥ サーニャの腕が俺の腰へと回る。 サーニャ「あったかい・・・♥」スリスリ 俺「そっスか・・・」 サーニャ「う、ん・・・すぅ・・・すぅ・・・」 サーニャはそのまま、俺の胸の中で再び眠りに落ちた。 俺(寝ちゃったか・・・) 眠るサーニャを、俺はそっと抱きしめる。 俺(それにしても・・・) 俺は腕の中のサーニャを一瞥する。 陶磁器のように白い柔肌に、整った顔立ち。そしてしなやかで、少し力を入れれば折れてしまいそうなほど細い体。 そんな目の前の儚げな少女がたまらなく愛おしくて仕方がなかった。 サーニャ「ぅ・・・ん・・・」 見つめているうちに思わず邪なことを考えていることに気づき、その思考をなけなしの紳士心で何とか押しとどめた。 サーニャ「すぅ・・・すぅ・・・」 俺(こんなにか細い子がネウロイなんて危ない相手と闘ってるんだよな・・・) 俺(そう考えると、ちょっと、な・・・いや、だからこそ俺が守らなきゃだよな。) 俺は片手を彼女の後頭部へ回し、髪を撫でる。 俺(・・・って・・・よく考えたらエイラさんに黙ったまんまだよな俺・・・エイラさんはきっと、サーニャの事大好きなんだよな・・・今だって・・・) 俺(でも、この子は俺の事好きって言ってくれた・・・別れようなんて言ったら今度はこの子が傷つくのかな・・・) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 男「またある時は他人の関係に良くも悪くも干渉し、言葉で隣人を殺す。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺(あれってこういう事なのかな・・・このままでいいのかな・・・俺・・・いや、よくないよな・・・でも、どうしたら・・・) 思案をするうちに次第に眠気が勝り、彼女を抱いたまま、俺はまどろみに落ちた。 ~数時間後~ 俺「ん・・・」パチクリ サーニャ「・・・///」カアァァ 再び目を覚ました俺の目の前には、頬と耳を紅葉させたサーニャの顔があった。 サーニャ「お、俺・・・///」 俺「は、はい・・・?」 サーニャ「離して・・・///」 俺「あ、あぁ・・・すみません・・・」パッ 俺の腕から解放されたサーニャは体を起こし、恥ずかしそうに俺に背を向ける。 俺「そっか・・・俺、抱いちゃったまま・・・恥ずかしかったっスよね・・・ごめんなさい・・・」 その言葉にサーニャは俺に背を向けたまま首を振る。 サーニャ「ううん・・・違うわ・・・俺にぎゅってしてもらったのは、とっても嬉しい・・・ただ・・・///」 俺「?」 サーニャ「おなかに・・・かたいの・・・当たってたから・・・///」 俺「!?」 下半身へとゆっくり視線を落とす。 俺「・・・///」 サーニャ「え・・・えっちなのは・・・ダメ・・・///」 俺「ごめんなさい・・・///」 サーニャ「・・・で、でも・・・男の人はこういうの・・・我慢できないって聞いたことあるから・・・俺も、我慢・・・できなかったんだよね・・・///」 俺「えと、これは・・・その・・・」 サーニャ「ううん・・・いいの・・・これは、仕方ないこと・・・だ、だから・・・ホントは、ダメだけど・・・」 そう言うと、サーニャは俺に背を向けたまま上の下着の紐に指を掛け、それを取り払う。 ハラリ 俺「え!?いや・・・ちょ!?」 露わになった胸を彼女は右腕で覆い隠し、恥ずかしそうに俺に向き直り、こう言った。 サーニャ「俺がしたいなら・・・しても・・・いい・・・///」 俺「」 サーニャ「わ、私・・・シャーリーさんみたいに胸、大きくないし・・・ほ・・・ほかの人みたいに綺麗じゃないから・・・俺に・・・喜んでもらえるか・・・わからないけど・・・///」 顔を真っ赤にし、恥ずかしさからか、涙でいっぱいの潤んだ瞳で彼女は言う。 サーニャ「俺・・・///」 どこかなまめかしい表情で、ゆっくりとにじり寄るサーニャ。俺は後ずさりするが、すぐにベッドの端まで追い込まれた。 俺「ス、ストップ!あああ、あの、サーニャ!?」 左手を突き出し、静止を訴える俺。サーニャはその場で止まった。 サーニャ「・・・///」ウルウル 俺「い、嫌なら無理してそんなことしなくてもいいんスよ?今だって誰かに言われたからそんなこと言うんス・・・よね?」 サーニャはその言葉に首を横に振った。 サーニャ「誰にも言われてないわ・・・無理も・・・してない・・・私がしてあげたいって・・・思ったの・・・」 俺「え・・・」 サーニャ「男の人は、他の女の人に目移りしやすいから・・・ほっといたら別の人にとられちゃうって・・・」 俺「それは・・・誰から聞いたんスか・・・?」 サーニャ「本に・・・書いてあった・・・」 俺「どんな本読んだんスか・・・」 サーニャ「でも・・・えっちなことしろって・・・書いてあったわけじゃないの・・・これは、私が自分でしようって・・・決めたことだから・・・」 俺「どうして・・・」 サーニャ「・・・俺に・・・」 俺「?」 サーニャ「・・・俺に・・・ずっと好きでいてほしい・・・ずっと・・・一緒にいてほしいから・・・だから・・・」 俺「っ!」トクン 心臓が一度大きく鼓動を打つ。同時にみぞおちの奥がきゅうと締め付けられるような感覚が襲う。 ギュッ サーニャ「あっ・・・」 俺「・・・・・」ギュゥ 無言でただ、抱き締めた。 サーニャ「俺・・・?///」 俺「・・・ありがとうっス、サーニャ・・・俺、好きになったのが君でよかったっス・・・」 サーニャ「!・・・///」 俺「それと、その・・・エッチなことしなくたって・・・俺はずっと、君の事・・・だ、大好きっスよ・・・」 サーニャ「本当・・・?」 俺「はい、絶対に・・・だから、服、着てくださいっス・・・///」 サーニャ「うん・・・でも、これじゃ着れないわ・・・///」 俺「あ、そうっスよね・・・すみません・・・」 抱擁を解こうとする俺の腕をサーニャがしがみ付いて制止する。 サーニャ「ま、待って!・・・もう少し、このままが・・・いい・・・///」ギュゥ 俺「・・・///」 しばらく抱き合いながら、お互いに照れくさがりながら微笑みを交わす。 その内、俺の胸の奥からどうしようもなく抑えがたい感情が沸き起こり、俺がサーニャへと唇を寄せる。 サーニャもそれに応えるように瞳を閉じ、 そして二人は―― バタン! シャーリー「ハッピーニューイヤー!!お・・・れ・・・?」 俺「」 サーニャ「!?///」 シャーリー「あ・・・ああ、あ・・・」 ルッキーニ「? シャーリー、どしたの?」 シャーリー「わっ!み、見るな!ルッキーニ!!///」バッ ルッキーニ「え~!?なんで~?見えないよシャーリ~!」 シャーリー「あ・・・あははは・・・ご、ごゆっくり~・・・」 パタン ネェネェナニガアッタノ? イイカラツギイクゾツギ! ア!マッテヨ~ タッタッタ… 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・///」 俺「あ、あの・・・サーニャ・・・」 サーニャ「なに・・・?///」 俺「あけまして、おめでとうっス・・・」 サーニャ「う、うん・・・あけまして、おめでとう・・・///」 それから、誰もいなくなったことを確認し、 チュッ… 人知れず、二人はそっと口づけを交わした。 ――――― ――― ― しばらくして・・・ ---基地内ラウンジ--- 一通り新年の挨拶を済ませた皆はラウンジへと集まっていた。 芳佳「え!?着物、あるんですか!?」 坂本「あ、ああ・・・私の知り合いが勝手に送りつけてきてな・・・みんなにぜひ着てほしいと・・・(まぁ、醇子のことなんだけどな・・・)」 ミーナ「あら、綺麗な柄ね。この前のゆかた・・・だったかしら。あれとはどこか違うのかしら?」 坂本「浴衣は薄手で着るのも簡単なのだが、着物は誰かが着付けをしないと着るのがなかなか難しいんだ・・・宮藤、お前、着付けはできるか?」 宮藤「あ、はい。お母さんに教えてもらったことがありますから。」 坂本「よし、ならば私たちで着付けしよう。俺は・・・すまんな、お前のはまた無いみたいだ・・・」 俺「あ、いえ。俺はみんなの着物姿が見れればそれで十分っスから。」 坂本「そうか?なら、楽しみにしていろよ。」ニヤリ 長し目をしつつ、どこか怪しい笑みを浮かべる坂本。 俺「ゴクリ・・・」 数分後 シャーリー「う~ん・・・やっぱちょっときついなぁ・・・」 ルッキーニ「シャーリーはおっぱいおっきいもんね~」 宮藤「<●><●>」ジーッ リーネ「よ、芳佳ちゃん・・・」 エーリカ「スースーする・・・」 ミーナ「ふふっ、似合ってるわよ、トゥルーデ。クリスにも見せてあげたいわね。」 ゲルト「か、からかうなミーナ・・・///」 ミーナ「あら、からかってなんかないわ。本当に似合ってるもの。」 ゲルト「うぅ・・・ミ、ミーナの方こそ、よく似合ってると思うぞ!///」 ミーナ「え?そ、そうかしら・・・?ありがとう///」 ペリーヌ「しょ、少佐・・・とてもお似合いですわ・・・///」 坂本「ん?そ、そうか・・・?少し恥ずかしいのだがな・・・はっはっは・・・///」 ペリーヌ「少佐・・・///(恥じらわれる少佐も素敵ですわ・・・///)」 俺「・・・///」ポーッ… 各々、色とりどりの色を見せるウィッチたち。浴衣とはまた違う美しさに俺は思わず見惚れていた。 エイラ「な~に鼻の下伸ばしてんだダ、このむっつりスケベ。」 俺「むっつりって・・・ひどいっスよエイラさ・・・」 振り返った俺の目の前には、いつもと違うエイラ。 彼女は藍色の地に、桔梗と清流が刺繍された着物に身を包み、髪を後ろに束ね、頭には蓮華の花飾り。 エイラ「な、なんダヨ・・・急に黙って・・・」 俺「い・・・いえ・・・エイラさん・・・めっちゃ綺麗だなって・・・///」ポーッ… エイラ「な!?う、ウルセー!!///」ポカッ 俺「痛っ!し、しどいっス・・・叩くなんて・・・」 エイラ「わ、私よりも・・・その、サーニャのほうが綺麗だゾ・・・ほら・・・」 俺が視線をエイラの言われた方へと移す。 エーリカ「ねぇねぇ、サーニャもさ、『はいてない』の?」 サーニャ「えっ!? ・・・///」 少し離れた場所で、サーニャが団欒している。黒地に藤の花が刺繍された着物を纏い、髪は団子状に後ろにまとめられ、頭には白百合の花飾りをつけている。 時折首元からのぞかせるうなじが悩ましい。 俺「すっげぇ可愛いっス・・・///」 エイラ「ダロ?サーニャは何着ても似合うんダ。」フフン なぜか誇らしげなエイラ。ただ、その横顔はちょっぴり寂しそうに見えた。 俺「・・・・・」 俺(やっぱり俺、サーニャが好きだ・・・だから、ちゃんと言わなきゃ・・・) 俺「あの・・・エイラさん・・・」 エイラ「な、なんダ・・・?」 俺「エイラさんは、サーニャのこと・・・大切に思ってるんですよね。」 エイラ「あ、ああ・・・当たり前ダ・・・」 俺「その・・・俺・・・俺は・・・」 そこで俺は口を噤んでしまう。 エイラ「・・・・・」 俺(クソっ・・・なんで言えないんだ・・・いや、怖いからだよな・・・エイラさんを傷つけるのが・・・) 俺「・・・・・」 エイラ「・・・知ってるよ。」 俺「えっ?」 エイラが口を開く。 エイラ「知ってる。お前とサーニャが、そういう関係になったってこと。」 俺「! ・・・・・」 エイラ「サーニャが言ってたんだ。お前に好きって言ってもらったって。サーニャ、凄くうれしそうだった・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「それに、お前もいつの間にかサーニャの事名前だけで呼ぶようになってたし、それくらい、ワタシでもわかるヨ・・・」 俺「ごめんなさい・・・」 エイラ「あ、謝るなヨ!オマエ、サーニャの事好きなんダロ・・・?」 俺「そうっスけど・・・でも、エイラさんだってサーニャの事・・・」 エイラ「・・・ああ!好きだヨ!今だってずっと好きダ!でもさ、サーニャはお前を選んだんだヨ・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「悔しいけど、サーニャが好きなのはお前ダ・・・でも、ワタシ自身、まだ踏ん切りがついてない・・・諦められないんダ・・・」 エイラ「それに・・・サーニャの両親が見つかるまで、私はサーニャを守るって決めたんダ・・・それは今でも変わらないし、これだけは譲りたくない・・・」 俺「・・・・・」 エイラ「それと、オマエの事もちゃんと見極めたい・・・ちゃんとサーニャを守ってくれるかどうか・・・ワタシの、勝手な考えだけどサ・・・」 エイラ「だから・・・」スッ 俺「・・・?」 エイラ「サーニャの両親が見つかるまでは・・・サーニャを・・・い、一緒に守ろうナ・・・」ポリポリ 手を差し伸べながら、そっぽを向き照れくさそうに頬を掻くエイラ。 俺「エイラさん・・・」 エイラ「そ、それと、サーニャだけ名前で呼ぶのはずるい・・・だから、ワタシもエイラって呼んでくれヨ・・・お前と私はその・・・家族、なんだからサ・・・」 俺(一応・・・許してもらえたのかな・・・) エイラ「ど、どうなんだヨ!」 俺「・・・もちろんっス。こちらこそ、よろしくっス、エイラ!」 パシッ 交わされる固い握手。二人の間には、確かな絆が生まれていた。 サーニャ「エイラ、俺。なにしてたの?」 遠くで話していたはずのサーニャがいつの間にか近くまで来ていた。 エイラ「さ、サーニャ・・・いや、なんでもないヨ。な、俺。」 俺「はいっス。なんでもないっスよ。」 サーニャ「本当?・・・ちょっと怪しい・・・」ジトー エイラ「ハハ・・・」 サーニャ「・・・あ、あのね、一つお願いがあるの・・・」 俺「? どうしたんスか突然?」 サーニャ「さっき、ミーナ中佐にお願いして時間を貰ったの。だから、基地の中だけだけど・・・このまま・・・デ、デートしたいなって・・・///」 俺「デート・・・っスか・・・?俺はいいっスけど・・・」 エイラ「・・・わ、ワタシ邪魔みたいだからあっち行ってるナ!」 サーニャ「待って、エイラ。どこ行くの?」 エイラ「どこって・・・だってサーニャ、俺と・・・デートするんだろ・・・?」 サーニャ「うん・・・でも、エイラも一緒よ?」 エイラ「えっ・・・」 サーニャ「前のお祭りの時みたいに、また3人でお出かけできたらなって思ったの・・・だから、エイラも一緒じゃなきゃ嫌よ?」 エイラ「いいのカ・・・?ワタシ、邪魔じゃないカ・・・?」 俺「邪魔なわけないっス。エイラが来ないのは、俺も嫌っス。」 サーニャ「だから、一緒に行こう?」 エイラ「サーニャ・・・俺・・・」 エイラ「・・・ったく・・・し、しょーがねーなぁ・・・今日ダケダカンナー」ニコッ サーニャ「うん。じゃあ、行こう?」ニコ サーニャがエイラと俺の手を引く。 それから三人は手を繋いだまま、ゆっくりと歩き始めた。 その後、デートを整備兵やその他男性配属員に目撃され、俺がボコボコにされたのは語るに及ばない。 続き→ペルソナ19.5
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あ か さ た な は ま や ら わ あ 青葉区 青葉公園 青葉消防署 赤提灯しらいし アニマムンディ 天の川 アメノトリフネ アラヤ神社 岩戸山 エテーリア 恵比寿海岸 エボニー か kaori 海底遺跡 春日山高校 カダスマンダラ 蝸牛山 がってん寿司 カラコル ギガ・マッチョ キスメット出版 金牛宮の神殿 葛葉探偵事務所 クラブ・ゾディアック クレール・ド・リュンヌ 下水処理施設 港南区 港南警察署 豪傑寺 GOLD さ 坂上ビル サトミタダシ シアター ※2罪PSP版で追加 時間城 獅子宮の神殿 七姉妹学園 シバルバー ジョリーロジャー シルバーマン邸 スマイル平坂 珠閒瑠市 珠閒瑠ジプシー/珠閒瑠ジニー 珠閒瑠城 珠閒瑠TV スマル・プリズン 聖エルミン学園 セベク 空の科学館 た 地下鉄工事現場 天蠍宮の神殿 東亜ディフェンス Tony s Shop 富永カイロプラクティック な 鳴海区 日輪丸 は 廃工場 パチンコ・シルバー パパラチャ パラベラム 柊サイコセラピー ピースダイナー Bikini Line 平坂区 ベルベットルーム ペントハウス 防空壕 宝瓶宮の神殿 ホテル・プレアデス ま 御影サンモール 御影ジョイ通り 御影町 御影総合病院 ムー大陸 森本病院 や 野外音楽堂 夢崎区 ヨットハーバー ら ラーメンしらいし 理学研究所 ルナパレス港南 蓮華台 ロサカンディータ 倫敦屋 わ
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Ver0.300 LV 13 ファンレン(chara4040) LV 15 リュウマン(chara4041) LV 18 牡牛カメーン(chara4001) LV 18 獅子カメーン(chara4002) LV 18 蠍カメーン(chara4003) LV 18 水瓶カメーン(chara4004) LV 40 Sゾルダート(chara4019) LV 40 Mゾルダート(chara4020) LV 40 Sシュッツェ(chara4021) LV 40 Vクラフト(chara4022) LV 40 コマンダント(chara4023) LV 45 牡牛カメーンR(chara4015) LV 45 獅子カメーンR(chara4016) LV 45 蠍カメーンR(chara4017) LV 45 水瓶カメーンR(chara4018) LV 61 ヘルゼーエン(chara4045) LV 61 Mツェンタオア(chara4046) LV 62 親衛隊(chara4047) LV 64 メタル・ドラッヘ(chara4048) LV 13 ファンレン(chara4040) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 151/ 151] MP[ 46/ 46] 通常攻撃:打撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 74 知恵 3 ** 命中 46 魔力 3 ** 防御 61 耐力 10 ***** 回避 46 速さ 6 *** 魔法威力 49 運 5 *** 魔法効果 38 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 200% 精神 200% 破魔 0% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 GUN 2 パワーショット 3 ベノンショット 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 15 リュウマン(chara4041) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 169/ 169] MP[ 51/ 51] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 11 ****** 攻撃 82 知恵 3 ** 命中 55 魔力 3 ** 防御 65 耐力 10 ***** 回避 55 速さ 8 **** 魔法威力 55 運 5 *** 魔法効果 42 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 200% 精神 200% 破魔 0% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 GUN 2 パワーショット 3 神経弾 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 18 牡牛カメーン(chara4001) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 184/ 184] MP[ 81/ 81] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 8 **** 攻撃 84 知恵 8 **** 命中 58 魔力 7 **** 防御 70 耐力 10 ***** 回避 58 速さ 7 **** 魔法威力 79 運 5 *** 魔法効果 60 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 100% 精神 100% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 反射 水撃 100% 疾風 150% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 マグナス 2 マハ・マグナ 3 ヤマオロシ 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) 金牛宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 18 獅子カメーン(chara4002) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 177/ 177] MP[ 79/ 79] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 87 知恵 7 **** 命中 61 魔力 7 **** 防御 65 耐力 8 **** 回避 61 速さ 8 **** 魔法威力 78 運 5 *** 魔法効果 58 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 反射 氷結 125% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 100% 精神 100% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 150% 疾風 100% 重力 100% 核熱 50% 万能 100% 所持スキル 1 アギラオ 2 マハ・ラギ 3 利剣乱舞 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 火炎瓶(10) 獅子宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 18 蠍カメーン(chara4003) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 160/ 160] MP[ 93/ 93] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 7 **** 攻撃 78 知恵 8 **** 命中 61 魔力 10 ***** 防御 60 耐力 7 **** 回避 61 速さ 8 **** 魔法威力 87 運 5 *** 魔法効果 62 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 150% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 100% 精神 100% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 反射 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 アクエス 2 マハ・アクア 3 メ・ディア 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 火炎瓶(10) 天蠍宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 18 水瓶カメーン(chara4004) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 160/ 160] MP[ 86/ 86] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 7 **** 攻撃 78 知恵 8 **** 命中 66 魔力 8 **** 防御 60 耐力 7 **** 回避 66 速さ 10 ***** 魔法威力 82 運 5 *** 魔法効果 61 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 100% 精神 100% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 150% 水撃 100% 疾風 反射 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 ガルーラ 2 マハ・ガル 3 ポイズマ 4 シバブー 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 火炎瓶(10) 水瓶宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 40 Sゾルダート(chara4019) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 517/ 517] MP[ 155/ 155] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 165 知恵 12 ****** 命中 140 魔力 5 *** 防御 145 耐力 20 ********** 回避 140 速さ 20 ********** 魔法威力 144 運 10 ***** 魔法効果 116 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 50% 精神 50% 破魔 0% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 パワーショット 2 デスペルショット 3 神経弾 4 自爆 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 40 Mゾルダート(chara4020) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 616/ 616] MP[ 155/ 155] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 175 知恵 12 ****** 命中 127 魔力 5 *** 防御 175 耐力 30 *************** 回避 127 速さ 15 ******** 魔法威力 144 運 10 ***** 魔法効果 116 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 50% 神経 0% 精神 0% 破魔 0% 呪殺 0% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 パワーショット 2 グレイトフルワン 3 コロナショット 4 自爆 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 40 Sシュッツェ(chara4021) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 466/ 466] MP[ 172/ 172] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 160 知恵 25 ************* 命中 115 魔力 5 *** 防御 130 耐力 15 ******** 回避 115 速さ 10 ***** 魔法威力 157 運 10 ***** 魔法効果 142 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 50% 精神 50% 破魔 0% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 精密射撃 2 グレイトフルワン 3 ロックバレット 4 自爆 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 40 Vクラフト(chara4022) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 396/ 396] MP[ 189/ 189] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 5 *** 攻撃 142 知恵 20 ********** 命中 152 魔力 10 ***** 防御 112 耐力 10 ***** 回避 152 速さ 25 ************* 魔法威力 165 運 10 ***** 魔法効果 135 戦闘相性 剣撃 150% 飛具 150% 打撃 150% 戦技 150% 火炎 25% 氷結 25% 電撃 25% 衝撃 25% 神経 25% 精神 25% 破魔 0% 呪殺 0% 地変 25% 水撃 25% 疾風 25% 重力 25% 核熱 25% 万能 100% 所持スキル 1 スパイラルボム 2 スタングレネード 3 魔反鏡 4 毒ガス 5 神経ガス 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 40 コマンダント(chara4023) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 532/ 532] MP[ 219/ 219] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 18 ********* 攻撃 183 知恵 18 ********* 命中 178 魔力 18 ********* 防御 143 耐力 18 ********* 回避 178 速さ 32 **************** 魔法威力 183 運 18 ********* 魔法効果 143 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 150% 衝撃 100% 神経 50% 精神 50% 破魔 0% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 シングルショット 2 連続撃ち 3 突撃の狼煙 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 45 牡牛カメーンR(chara4015) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 667/ 667] MP[ 195/ 195] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 18 ********* 攻撃 204 知恵 10 ***** 命中 140 魔力 10 ***** 防御 171 耐力 24 ************ 回避 140 速さ 16 ******** 魔法威力 170 運 10 ***** 魔法効果 125 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 50% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 125% 精神 125% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 反射 水撃 100% 疾風 150% 重力 0% 核熱 50% 万能 100% 所持スキル 1 マグダイン 2 マハ・マグナス 3 ヒートウェイブ 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 50 マハ・グライバ - - - 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) 金牛宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 45 獅子カメーンR(chara4016) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 603/ 603] MP[ 207/ 207] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 18 ********* 攻撃 198 知恵 12 ****** 命中 145 魔力 12 ****** 防御 153 耐力 18 ********* 回避 145 速さ 18 ********* 魔法威力 177 運 10 ***** 魔法効果 130 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 吸 50% 氷結 150% 電撃 100% 衝撃 50% 神経 125% 精神 125% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 100% 水撃 150% 疾風 50% 重力 100% 核熱 反射 万能 100% 所持スキル 1 アギダイン 2 マハ・ラギオン 3 回転斬り 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 50 フレイラ - - - 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) 獅子宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 45 蠍カメーンR(chara4017) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 481/ 481] MP[ 242/ 242] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 10 ***** 攻撃 170 知恵 24 ************ 命中 145 魔力 16 ******** 防御 125 耐力 10 ***** 回避 145 速さ 18 ********* 魔法威力 199 運 10 ***** 魔法効果 156 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 150% 氷結 反射 電撃 100% 衝撃 50% 神経 125% 精神 125% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 50% 水撃 吸 50% 疾風 100% 重力 50% 核熱 150% 万能 100% 所持スキル 1 アクアダイン 2 マハ・アクエス 3 メ・ディアラマ 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 50 マハ・ブフーラ - - - 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) 天蠍宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 45 水瓶カメーンR(chara4018) Neutral/ Chaos EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 451/ 451] MP[ 265/ 265] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 8 **** 攻撃 163 知恵 16 ******** 命中 160 魔力 24 ************ 防御 118 耐力 8 **** 回避 160 速さ 24 ************ 魔法威力 211 運 10 ***** 魔法効果 144 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 50% 電撃 100% 衝撃 反射 神経 125% 精神 125% 破魔 100% 呪殺 100% 地変 150% 水撃 50% 疾風 吸 50% 重力 150% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 ガルダイン 2 マハ・ガルーラ 3 テンタラフー 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 50 マハ・ザンマ - - - 素質 オトコ 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) 水瓶宮制服(2) なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 61 ヘルゼーエン(chara4045) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 778/ 778] MP[ 410/ 410] 通常攻撃:飛具 1- 1回 射程3 単体 力 10 ***** 攻撃 223 知恵 25 ************* 命中 202 魔力 35 ****************** 防御 172 耐力 15 ******** 回避 202 速さ 30 *************** 魔法威力 295 運 5 *** 魔法効果 194 戦闘相性 剣撃 200% 飛具 200% 打撃 200% 戦技 200% 火炎 25% 氷結 25% 電撃 25% 衝撃 25% 神経 25% 精神 25% 破魔 0% 呪殺 25% 地変 25% 水撃 25% 疾風 25% 重力 25% 核熱 25% 万能 100% 所持スキル 1 マハ・ラギダイン 2 マハ・アクダイン 3 マハ・マグダイン 4 マハ・ガルダイン 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 61 Mツェンタオア(chara4046) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[1058/1058] MP[ 281/ 281] 通常攻撃:飛具 1- 1回 射程3 全体 力 30 *************** 攻撃 286 知恵 12 ****** 命中 194 魔力 12 ****** 防御 221 耐力 28 ************** 回避 194 速さ 25 ************* 魔法威力 225 運 10 ***** 魔法効果 162 戦闘相性 剣撃 50% 飛具 50% 打撃 50% 戦技 50% 火炎 50% 氷結 50% 電撃 200% 衝撃 50% 神経 0% 精神 0% 破魔 0% 呪殺 0% 地変 50% 水撃 50% 疾風 50% 重力 50% 核熱 50% 万能 100% 所持スキル 1 ブライコンツェルト 2 毒ガス 3 神経ガス 4 玉砕破 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 頭 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 62 親衛隊(chara4047) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[ 892/ 892] MP[ 361/ 361] 通常攻撃:飛具 1- 1回 射程3 単体 力 20 ********** 攻撃 254 知恵 23 ************ 命中 202 魔力 24 ************ 防御 188 耐力 18 ********* 回避 202 速さ 24 ************ 魔法威力 269 運 18 ********* 魔法効果 200 戦闘相性 剣撃 100% 飛具 100% 打撃 100% 戦技 100% 火炎 100% 氷結 100% 電撃 100% 衝撃 100% 神経 50% 精神 50% 破魔 0% 呪殺 50% 地変 100% 水撃 100% 疾風 100% 重力 100% 核熱 100% 万能 100% 所持スキル 1 ロックバレット 2 突撃の狼煙 3 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 頭 目 口 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 LV 64 メタル・ドラッヘ(chara4048) Dark/ Law EXP: 30 MAG 60 CP 7 HP[1194/1194] MP[ 309/ 309] 通常攻撃:剣撃 1- 1回 射程1 単体 力 34 ***************** 攻撃 309 知恵 14 ******* 命中 225 魔力 14 ******* 防御 241 耐力 32 **************** 回避 225 速さ 35 ****************** 魔法威力 241 運 10 ***** 魔法効果 173 戦闘相性 剣撃 50% 飛具 50% 打撃 50% 戦技 50% 火炎 50% 氷結 50% 電撃 200% 衝撃 50% 神経 0% 精神 0% 破魔 0% 呪殺 0% 地変 50% 水撃 50% 疾風 50% 重力 50% 核熱 50% 万能 100% 所持スキル 1 超重爆弾 2 ファイアブレス 3 自爆 4 5 6 7 8 習得スキル LV スキル LV スキル LV スキル LV スキル 素質 オトコ 頭 腕 足 所持アイテム 戦利品1 戦利品2 戦利品3 受胎 プラグイン 傷薬(10) なし なし なし なし 特殊フラグ 合体条件有り 全書召喚不可 名前 コメント すべてのコメントを見る